ヤモリは人間にとって身近な爬虫類で、家の外壁などにくっついているのを見たことがある人もいるでしょう。
そこらへんにいる生き物だから、ちょっと捕まえて飼ってみようかと思うかもしれませんが、ヤモリを飼育するのは意外と大変です。
特に大変なのは餌やりと言ってもいいかもしれません。
それでは、ヤモリは何を食べていて、何を餌として用意したらいいのかをご紹介していきたいと思います。
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ヤモリの餌は何を与えたらいい?
ヤモリは、昼間は暗いところに隠れてじっとしており、夕方から夜になると明かりに集まってきた小さな虫を捕まえて食べます。
生きて動いているものを食べるので、餌は基本的には小さな虫を捕まえてきて与えることになります。
例えば、
- コオロギ
- ハエ
- クモ
- 蛾や蝶の幼虫
などの小さな虫を食べ、アリや毒を持っている虫は食べません。
公園や木や草がたくさんあるような場所なら比較的簡単に見つけられるような虫なので、できるだけ生餌をあげた方がヤモリは喜びます。
餌を与えるたびにこれらの虫を捕まえてくるというのも可能ではありますが、「ヤモリに食べさせるための虫を飼育する」という状況にもなりますので、餌の虫用の飼育グッズも必要になる場合があります。
餌を購入するなら何をあげたらいい?
餌を捕獲するのが難しい場合は、ペットショップで売られているものを餌として与えることもできます。
ペットショップで買えるものは
- コオロギ
- ミルワーム
などがありますが、購入する場合はヤモリに合った小さめのものを選ぶようにしてください。
ミルワームよりもコオロギの方が消化が良く、栄養的にもヤモリにとっていいので、できればコオロギを主食として与える方がいいでしょう。
ミルワームはしばらくすると成虫になってしまいますが、ヤモリは小さければ成虫でも食べることができます。
夏は生餌を捕獲することができますが、冬眠させずに一年中飼育する場合は季節によっては生餌が手に入れることが難しい場合があります。
その際もペットショップで購入するといいでしょう。
コオロギです。
ミルワームです。
餌の頻度や量はどのくらい?
ヤモリは毎日餌を食べなくても死ぬことはないので、餌をあげる頻度は2~3日に1回程度で問題ないでしょう。
ただ、水分は必要とするので、毎日霧吹きなどで飼育ケースの中を湿らせてあげるようにします。
餌の量は、コオロギを餌とする場合は2~3匹程度を目安に与えましょう。
ヤモリが餌を食べないときはどうしたらいい?
まずは餌の大きさをチェックしてください。
餌が大きすぎると食べることができないので、ヤモリの顔の大きさの半分くらいのサイズのものを用意してあげるようにしましょう。
少し小さめにした餌を、ピンセットなどでつまんで顔の前に持っていってにおいを嗅がせてみると、食べるかもしれません。
また、ヤモリは夜行性で昼間はあまり活動しないので、日中に餌を与えていたのなら夜に変えてみてください。
外で捕まえた個体は野生なので、環境が変わって餌を食べなくなったということもあるかもしれません。
他の原因としては、水分不足、温度が低い、妊娠しているなどが考えられます。
水分を与えてみる、飼育温度を上げてみるなども試してみてください。
ヤモリの餌やりの注意点は?
ヤモリの餌やりは意外と大変だということがお分かりいただけたかと思いますが、その餌やりについて他にも注意しておくべきことがあるのでご紹介します。
餌を確保できないなら自然に帰しましょう
ヤモリは意外とデリケートな生き物で、環境が変わることで餌を食べなくなることがよくあります。
何をしても餌を食べずに弱ってきてしまったなら、自然に帰してあげましょう。
注意してほしいのは、結局飼いきれずに寒い季節になってから自然に帰してしまうと、ヤモリは冬眠できる場所を見つけられず、飢えと寒さに耐えられずに死んでしまうことにもなりかねません。
冬を迎える前までに、越冬させることができるかをきちんと判断して責任を持って飼うようにしましょう。
必要に応じてサプリメントを与える
自然界のヤモリは色々なものを食べることができますが、飼育されているヤモリは同じ餌を食べ続けることが多いので栄養が偏りがちになります。
ヤモリはカルシウム不足による「くる病」にかかりやすいので、同じ餌ばかりを与えるような状況の場合は必要に応じてカルシウムなどのサプリメントを与えましょう。
飼育する場合は冬でも冬眠させずに餌を与える必要がある
ヤモリは冬眠というよりは休眠に近く、冬の間も時々起きて水を飲んだりすることがあります。
基本的にはほとんど動かないので、冬眠している間は餌を用意しなくても構わないのですが、飼育されているヤモリを冬眠させるのは難しいです。
(部屋の中は暖かすぎて冬眠しない、屋外に放置すると寒すぎて死んでしまうため)
飼育されているヤモリの場合は、ある程度保温した状態で冬眠はさせずに越冬させることになるので、その場合は餌を用意する必要があります。
まとめ
ヤモリは身近に見られる生き物だし、簡単に飼えるだろうと安易な気持ちで飼い始めると、結局は世話をできずに死なせてしまったり、弱った状態で自然に帰さざるをえないことにもなりかねません。
特に生餌の入手は手間がかかるので、そのことを十分に理解した上で飼うようにしましょう。
爬虫類は人によって好き嫌いが別れる生き物ではありますが、せっかく飼うのであればしっかり観察してみてください。
よく見ると恐竜のようで格好いいところがあったり、意外とかわいい仕草をしたりしますよ!
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