クワガタの飼育はそれほど難しくはなく、必要なものを準備すればすぐに飼うことができます。
クワガタはほぼ日本全土に生息しているので見つける機会も多く、身近な昆虫のひとつなのではないでしょうか。
それでは、一般的な国産のクワガタを飼育の基本をご紹介します。
Contents
クワガタの一生
まず、クワガタの寿命は種類によって異なります。
ノコギリクワガタやミヤマクワガタで1~2年、大クワガタやコクワガタで3~4年ほど生きます。
7月~9月ごろにメスによって産卵された卵は、3週間ほどすると孵化します。
孵化した幼虫は、冬を迎える前に餌を食べて栄養補給をして越冬します。
翌年の春になると越冬から目覚め、蛹室を作ってさなぎになる準備を始めます。
6月ごろにさなぎになると、3~4週間後には羽化をして成虫になります。
しかし、この段階ではまだ地上に出てこず、蛹室の中で1年間休眠します。
休眠を終えると、蛹室から出ていよいよ活動を開始します。
地上に出た成虫は、オスとメスが出会って交尾をし、メスは産卵場所を探して飛び立ち、オスはやがて動けなくなって死んでしまいます。
クワガタの飼育に必要な物
まずはクワガタの飼育に必要なものを用意します。
- 飼育ケース
- マット(飼育用の土)
- 昆虫ゼリー(専用の餌)
- 霧吹き
- 樹皮や木片(ひっくり返ったクワガタがつかまって起き上がるためのもの)
- ディフェンスシート(コバエ侵入防止のシート)
この中で重要な物を紹介していきます。
飼育ケース
なるべく大きいものがいいですが、餌の取り合いやケンカしてしまう恐れがあるので1ケースにつき1頭が望ましいです。
繁殖を考えている場合は交配時にオスとメスを同居させて、終わればまた別々にした方が良いそうです。
やむを得ずまとめて入れる場合は、できる限り大きいケースに餌を多めに入れて飼育するようにしてください。
マット
昆虫飼育専用のマットがホームセンターなどで売られています。
園芸用の土は農薬が入っている場合があるので注意が必要です。
産卵や繁殖をするのが目的であれば、専用のマットもあります。
昆虫ゼリー
カブトムシやクワガタ専用のゼリーが売られています。
カブトムシやクワガタ専用に栄養を考えられて作られていますし、手軽で手間もかからないのでオススメです。
ゼリー以外では、桃やリンゴ、バナナなどの果物を食べます。
スイカは下痢になってしまうので避けてください。
餌は、夏は腐りやすいので早めに交換するようにしましょう。
↓コチラの記事も参考に
霧吹き
クワガタは乾燥に弱い為、霧吹きで定期的に水分を与える必要があります。
マットが乾燥していたら湿る程度に霧吹きで水分を与えるようにします。
クワガタの飼育に適した温度
飼育ケースは直射日光の当たらない18度~28度くらいの環境に置きます。
クワガタは夏の虫ですが、夏場の高温には注意しましょう。
クワガタの飼育方法
飼育ケースに水で湿らせたマットを入れ、ひっくり返った時につかまって起き上がるための樹皮や木片を入れます。
昆虫ゼリーなどの餌を入れれば準備完了です。
飼育ケースにクワガタを入れ、ディフェンスシートを挟んでフタをすればOKです。
クワガタの成虫は、大きさにもよりますが、昆虫ゼリーを週に1~2個ほど食べるので、餌が少なくなったら補充します。
マットの表面の乾き具合をチェックし、乾いているようなら週に1回程度霧吹きでマットを湿らせます。
クワガタの冬越しの飼育方法
クワガタは、種類によっては冬を越して生き続けます。
ただ、外気温が15度を下回るようになると、活動量が減ってきて冬眠の準備を始めます。
冬眠の間はほとんど動かなくなり、餌も食べなくなります。
昼間の暖かい時間にたまに起きてきて餌を食べることもありますので、ゼリーなどの餌は常に与えたままにしておきます。
たまにマットの水分量をチェックし、必要であれば霧吹きで水分を補充します。
室内に飼育ケースを置いておく場合が多いかと思いますが、あまり暖かいと冬眠することなく活動し続けることになります。
活動し続けるということはそれだけ体力を使うので寿命も短くなってしまう恐れがありますし、反対に寒すぎると死んでしまいます。
飼育ケースを置く場所の環境には注意してください。
飼育中のカビの対処法
カビは風通しの悪く湿った場所に発生しやすいので、ジメジメした季節は換気しやすいケースに入れて日陰に置くようにしましょう。
昆虫ゼリーは容器ごと置くようにして、早めに交換するようにしましょう。
また、マットの水分量もきちんと確認して、湿らせすぎに注意してください。
握るとすこし固まるくらいならば十分です。
カビが発生してしまったマットは、交換するか、取り出してすべてをかきまぜた後に天日干しして乾燥させてください。
飼育ケースや餌皿は、交換するか、熱湯消毒またはハイタ―などの希釈液につけて消毒しましょう。
飼育中のダニの対処法
少しのダニならばさほど影響はないと考えられますが、大量に発生してしまった場合は注意が必要です。
クワガタの体にダニが大量についてしまっているなら、柔らかいブラシ(歯ブラシなど)で軽くこすって取り除きましょう。
マットなどにダニが発生したらマットを交換してください。
ダニがつきにくい針葉樹系のマットにしたり、市販されているダニ退散スプレーやダニ除けシートを利用してもいいでしょう。
↓コチラの記事も参考に
まとめ
クワガタの成虫の飼育はとても簡単で手間もかからないので、観賞用として飼うのならおすすめの昆虫です。
クワガタを長生きさせるには、ストレスをためさせないよう飼育に適した環境を整えてあげて、止まり木や穴を開けた木片を入れて隠れ場所を作ってあげるといいですよ。