金魚を飼っていると、秋になって涼しくなってきたら気をつけたいのが「転覆病」です。
餌もちゃんと食べていたのに、ある日金魚が横を向いたままになってしまったり、お腹を上に向けて浮いてしまっている状態になります。
一瞬死んでしまったかのようにも見えますが、できるだけ早くきちんと治療してあげれば治ります。
金魚の転覆病の原因や治療法についてご紹介していきます。
Contents
金魚の転覆病ってどんな病気なの?
金魚がお腹を水面に向けてひっくり返ってしまい、うまく泳げない状態になってしまう病気のことです。
リュウキンやランチュウのような丸い体型の金魚がなりやすく、金魚の体調や体質に関係していて、主に消化器官に負担がかかることによって発症する病気です。
細菌やウイルスによる病気ではありません。
先天性のものと後天性のものがあり、先天性のものは助かりにくいのですが、後天性のものは初期のうちにしっかり対策をしてあげれば治ることが多いようです。
転覆病の症状は?(動画あり)
一度発症するとなかなか治りにくい病気で、できるだけ初期の段階で治療してあげることが重要です。
初期症状は、夕方から夜にかけて水面で背中を出して浮いているようになったり、バタバタとヒレを動かしていないと浮いてしまうようになります。
症状が進行すると、夕方だけでなく朝のうちから浮いてしまうようになり、斜めになったり、最終的には水面付近でひっくり返ってしまいます。
転覆病の原因は?
転覆病の原因は一つではなく色々な原因があります。
一つ一つ解説していくので心当たりがないか確認してください。
餌の食べすぎ、消化不良
金魚は消化器官が未熟な魚です。
気温が下がる秋ごろ、活動量が減っていくのに夏と同じように餌を与えてしまうと、金魚が餌を食べすぎて消化不良を起こしてしまいます。
そしてフンやガスが体内に溜まり、うまく泳げなくなったり浮くようになってしまいます。
古い餌、状態の悪い餌を食べた
金魚の餌も古くなると傷んでしまいます。
そのような古い餌や、状態の悪い餌を与えると、金魚がお腹を壊して消化不良を起こしてしまいます。
エア食いによる転覆
水面に浮く餌だと、食べる時に空気も一緒に吸い込んでしまいます。
そして餌がない時でも、水面でパクパクとすることが癖になってしまい、空気をさらにたくさん吸い込んでしまうこともあります。
そうすると体内に空気がたくさんたまってしまい、浮くようになってしまうのです。
食べるとき以外は水中で泳いでおり、水面をパクパクする癖がついていなければ、浮き餌でも問題はありません。
ストレス
ストレスにより浮き袋がうまく機能しなくなったり、平衡感覚が狂ってバランスがとれなくなって転覆してしまうケースです。
水質の悪化や急激な温度変化によるストレスの他、騒音や振動などもストレスの原因となる場合があります。
転覆病の原因は餌やりに問題があることが多いとされています。
餌の量だけでなく、餌の状態や食べ方にも原因があるかもしれないので注意してみてください。
転覆病の治療法は?
まずは、症状のある金魚を別の容器に移し、以下の方法で治療をしてあげます。
- ヒーターで水温を25度前後に保つ
- 5%の塩水(水1リットルにつき塩5グラムを入れた水)で塩水浴させる
- 一週間ほど絶食させる
急激な温度変化は金魚のストレスになるので、水温を上げる際は少しずつ上げるようにして下さい。
水温が上がると、消化不良が治ってきて溜まっていたフンや空気が体外に排出されます。
そうすると金魚も元気を取り戻します。
その間の3日~1週間ほどは餌をあげるのをやめ、絶食させましょう。
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転覆病に予防法はあるの?
転覆病の予防のためには、特に次の2点に気を付けてあげましょう。
寒くなってくる時に餌をあげすぎない
餌をうまく消化できずにフンやガスが溜まって転覆病になることが多いようです。
水温が下がると運動量も減り、内蔵の消化機能も低下してくるので、それに合わせて餌の量を減らしましょう。
ヒーターで保温しておく
内蔵の消化機能や体力の低下を防ぐためにも、ヒーターで水温を下げないことは有効な予防法です。
これらは、他の病気を防ぐためにも大切なことです。
転覆病は、水温が下がる秋から冬にかけて発症しやすく、特にその時期に飼育者が注意していればふせぐことができます。
転覆病で金魚が死ぬことはあるの?
転覆病は消化器系の異常が原因であり、その症状自体が死因となることはありません。
ですが、重症化すると泳いでいてもプカプカ浮いてきてしまい、転覆状態で餌を食べることが困難になって衰弱したり、お腹が水面から出て空気に触れている状態になって炎症を起こし、それが原因で死んでしまうこともあります。
まとめ
突然浮いている金魚を見つけたらビックリすると思いますが、死に直結する病気ではないので、落ち着いて治療してあげましょう。
ウイルス性の病気ではなく、他の金魚にうつる心配もそこまでありません。
特に水温が下がり始める秋ごろに多くみられる病気なので、初期症状を見逃さないためにもその時期は特に注意をして見てください。
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