赤いボディーが可愛らしい金魚。
古くからペットとして親しまれており、夜店の金魚すくいなどがきっかけで飼い始めた経験がある人も多いと思います。
しかし、金魚の飼育で避けられないのが「寄生虫」の問題です。
金魚に害を与える寄生虫はどんな種類のものがあり、どうすれば駆除出来るのでしょうか。
また、再感染しないように対策はないのでしょうか。
順を追って見ていきます。
Contents
寄生虫の感染経路は?
そもそも、何故寄生虫が侵入し、病気を引き起こすのでしょうか。
寄生虫の侵入経路は以下のようなものが考えられます。
- 水草に付着していた
- 生き餌に付着していた
- 寄生虫に感染した金魚を知らず 知らずのうちに迎えていた
金魚の水槽に水草を入れることはよくありますし、赤虫やミジンコなどの生き餌を与えることも同様です。
寄生虫は肉眼で確認出来るものもあれば確認出来ないものもあるため、知らず知らずのうちに寄生虫が水槽内に蔓延してしまったということが考えられます。
白点虫の原因は?
白点虫は「白点病」を引き起こす寄生虫です。
これが金魚に寄生すると、金魚の体中に白い点々が現れるようになります。
白点虫は、原生生物の繊毛虫に分類される、理科の顕微鏡でお馴染み・ゾウリムシに近い寄生虫です。
白点病は、別名「魚の風邪」とも言われており、金魚をはじめとした鑑賞魚の病気の中ではかなり有名なものです。
白点病は重症化すると全身に白い点々が広がり治療が困難になります。
ですので、初期に見つけて治療することが重要です。
なお、白点病以外にも白い点々が出来ることがあります。
これは発情したオスの金魚に出る「追い星」と呼ばれるもの。
この追い星を白点病と勘違いしてしまう飼い主がいますが、白点病との見分け方は点々が出来る位置です。
金魚の全身に点々が広がってしまう白点病に対して、追い星は胸びれの前側とエラのみに点々が見られます。
当然病気ではないですし、大人になり子孫を残すことが出来る証ですので、安心して下さいね。
イカリムシの原因は?
「何か金魚に白いものが付いているな」と思ったら、それは「イカリムシ」かも知れません。
イカリムシは、甲殻類の仲間でミジンコに近い寄生虫です。
イカリムシはその名前の通り、頭の形が船の碇のような形をしており、金魚に突き刺さって寄生します。
ちなみに、すべてのイカリムシが金魚に寄生するわけではなく、寄生する習性があるのはメスだけです。
なお、イカリムシの駆除に使用する薬剤は、水中に漂っている幼生には効果がありますが、既に寄生している成虫には効果がありません。
このような成虫は、ピンセットで取ってあげましょう。
ただし、ピンセットで引き抜くのは金魚にとって負担がありますので慎重に行いましょう。
ウオジラミの原因は?
ウオジラミは、「チョウ」とも呼ばれる寄生虫です。
口が吸盤のようになっており、金魚の体に寄生します。
前述したイカリムシがメスしか寄生しないのに対し、ウオジラミはオスもメスも寄生します。
メスは産卵のときに宿主のもとを離れ水槽の底の砂利などに卵を産み付けますが、何と生まれて間もない幼生は、寄生する魚を求めて泳ぎ回ります。
本能の恐ろしさを垣間見た瞬間ですね…。
なお、多数のウオジラミが寄生した魚はストレスで死に至ることもあります。
故に早期発見・治療が求められます。
金魚の寄生虫の駆除方法は?
犬や猫など他のペットが病気になったら動物病院に連れて行くのが一般的だと思いますが、寄生虫の影響で病気になった金魚も動物病院に連れていけば良いのでしょうか?
答えは、NOです。
何故なら犬や猫などのいわゆるメジャーなペットと違い、金魚を診察してくれる動物病院は非常に少なく、連れていったとしても徒労に終わる可能性が高いです。
では、このまま金魚が弱っていくのを指をくわえて見ているだけなのでしょうか。
もちろんそんな訳ではなく、金魚を寄生虫がもたらす病気から救う方法があります。
それは以下のような方法です。
- 水槽に市販されている薬剤を散布する
- 塩水浴をさせる
寄生虫が体に付着すると、金魚は違和感や不快感を感じるようで、ガラスや水槽の底の砂利に体を擦り付けて落とそうとします。
そうなったらただちに寄生虫駆除を開始しましょう。
水槽に市販されている薬剤を散布する
それぞれの病気に対応している薬剤が販売されています。
散布方法や注意をよく読んで使用しましょう。
どの薬剤を使ったら良いのか分からない場合は、店員に聞くと良いでしょう。
薬剤の散布と水槽の水を換えることを繰り返すことにより、治療効果が高まります。
↓コチラの記事も参考に
塩水浴をさせる
病気の種類によっては効果がないこともありますが、白点病の原因である白点虫の駆除には効果があります。
なお、塩水浴はペットショップなどから購入したばかりの金魚を新しい環境に慣れさせるためにも行われます。
↓コチラの記事も参考に
金魚の寄生虫の対策は?
寄生虫が原因の病気が蔓延しないためには、一体どうしたら良いのでしょうか?
以下のような対策が考えられます。
- 病気になった金魚はただちに隔離する
- 水槽の水をこまめに換える
- 治療に使った器具は殺菌消毒する
- 明らかに病気にかかっているであろう個体・同じ水槽で泳いでいた個体は購入しない
病気の蔓延を防ぐためには「寄生虫を増やさない・持ち込まないこと」が重要です。
病気になった金魚はただちに隔離する
このまま一緒の水槽で飼育していると、他の金魚も病気になってしまいます。
ただちに隔離し、治療します。
病気の金魚がいた水槽は既に寄生虫が蔓延している可能性が高いため、ただちに水槽の水を換えましょう。
水槽の水をこまめに換える
寄生虫が蔓延する原因のひとつが「水槽の水が汚れていること」です。
金魚は生き物ですので、当然餌を食べないといけませんし、食べた後は糞をします。
それを放置しているとどんどん水槽の水は汚れ、不潔な環境になってしまいます。
不潔な環境で飼育すれば、当然病気が蔓延し、最悪の場合金魚は命を落としてしまいます。
金魚の命を守るためにも、水槽の水はこまめに換えてあげましょう。
治療に使った器具は洗浄・消毒する
病気の中には、ピンセットで切除出来るものがあります。
この使い終わったピンセット、このままで良いのでしょうか。
人間の医療現場でも医療機器の使い回しが原因で重大な感染症が蔓延してしまった例があるように、病気の金魚の治療に使った器具は使用後すぐに洗浄しましょう。
水洗いだけではピンセットに細菌やカビ、寄生虫など害になるものが完全に除去出来ないため、日光消毒や熱湯消毒をしましょう。
人間用の市販のうがい薬につけても消毒になりますよ。
明らかに病気に感染しているであろう金魚・同じ水槽で泳いでいた金魚は購入しない
大切な金魚を病気にしないためにも、外から病気を持ち込まないことが重要です。
ペットショップなどに行ったときに、明らかに病気に感染しているであろう金魚を見て、「可哀想!治療してあげたい!」と思う人もいるかも知れません。
その気持ちは立派ですし、それで救われる金魚がいるのも事実です。
しかし、その金魚を他の金魚がいる水槽で飼育するのは絶対に止めましょう。
何故なら、その金魚が水槽に入ることにより金魚が感染している病気が他の健康な金魚にも感染してしまうからです。
可哀想な金魚を救うつもりが、自分の手で可哀想な金魚を増やしてしまうのはあまりにも気の毒ですよね。
今飼育している金魚を守るためにも、病気に感染しているであろう金魚やその金魚と同じ水槽で泳いでいた金魚は購入しない方が無難でしょう。
どうしても飼育したいのであれば、治療が終わるまでは単独飼育、もしくははじめから単独飼育をした方が良いでしょう。
↓コチラの記事も参考に
まとめ
金魚と寄生虫は切っても切り離せない関係にあることがよく分かったと思います。
しかし、長年の飼育実績をもとに寄生虫の駆除方法は確立されていますので、病気になっても慌てずに治療を行いましょう。
中には「これは病気かな?」と判断が出来ないものもあると思います。
そんなときは、金魚を購入したショップに問い合わせてみましょう。
病気でなければ安心ですし、病気でも治療に必要な薬剤の紹介やケアの仕方を教えてくれます。
せっかく縁があって飼育している金魚ですから長生きしてほしいですよね。
これからも大切にしてあげて下さいね!
金魚の飼い方まとめに戻る