多くの芸が出来たり、感情が豊かだったり、まるで人間そのものの動物、猿。
最近ではテレビ番組などで、その小さな愛くるしい姿をよく目にしますよね。
はたして、猿は普通の家庭で飼うことが出来るのでしょうか。
今回は「ペットとしての猿」について、調べてみました。
Contents
ペットとして猿は飼えるの?
答えは、飼えます!ただ、猿は・・
- あくまで野生動物の為、ペットとして飼い主に懐かせることは難しい
- ペットとしての習性が無いうえに、とても賢い為、しつけをすることが難しい
など、とっても「飼うこと」が、難しい動物なようです。
賢いから、何でも教えれば言うことを聞いてくれそうなイメージがありますよね。
それは大きな間違い、なようで、猿を飼ううえでは、テレビでよく見かけるような、人間と一緒に手を繋いで歩いたり、言いつけを守って様々な芸をしたり・・などという期待やイメージは捨てたほうがいいようです。
猿を飼う時の注意点は?
猿はペットとして飼うには難しい動物だとういことが、少しわかってきました。
だけど、やっぱり猿を飼いたい、もしも飼うとしたら・・具体的にはどのようなところに注意をすればいいの?
猿を飼うにあったて最低限、注意すべきこと、心得るべきことを調べてみました、一緒に見てみましょう。
- 感染症をうつしてしまう
- 購入は信頼できるところで
- 獣医師が少ない
- 留守番が苦手
- 飼育環境
- 経済的な負担がかかる
- しつけが難しい
色々ありますね、ひとつずつ見ていきましょう。
感染症をうつしてしまう
人と猿は同じ霊長類である為、人から猿へはもちろん、猿から人にも感染症の病気などがうつってしまうようです。
特に、外出時に感染症を患ってしまった飼い主が、帰宅して猿にうつしてしまうことが多いようです。
風邪やインフルエンザなどもうつるので、もしも患ってしまった場合は猿と距離をとったり、マスクをしたりするなどして、猿に感染することを予防することが必要なようです。
購入は信頼できるところで
猿はペットショップや専門店などで購入することが出来ますが、輸入できる国が限られていたり、検疫が必要だったりするようです。
中には劣悪なショップなどもあるようなので、「健康管理」や「どこで生まれたのか」などを、しっかり確認してから購入することが大切なようです。
また、猿の飼育情報は比較的少ない為、購入後も相談に乗ってくれるようなお店を探すことがいいようですよ。
獣医師が少ない
人間の病気をも感染してしまう、猿。
病気になったら、速やかに病院に連れて行くことが大切なのですが、猿を診てくれる動物病院は少ないのが現状のようです。
あらかじめ、近所に猿を診てくれる獣医師がいるかどうか、しっかり調べておくことが大切なようですよ。
留守番が苦手
猿は留守番が苦手なようです。
特に猿の種類によっては、寂しがり屋でとても繊細な猿もいるようで、飼い主と離れていることが強いストレスになってしまう猿もいるようです。
家にいないことが多い人は、猿を飼うことは向かないかもしれません。
飼育環境
猿の飼育に最低限必要なものは・・
- 高さのあるケージ
- 止まり木
- 餌や水の容器
- 設定温度
- 紫外線ライト
高さのあるケージ
小型の猿でも1メートルから1.5メートルのサイズが必要なようです。
野生下では木の上で生活している為、高さのあるケージであることも重要はようです。
小さすぎるケージだと、運動不足になり筋肉が弱ったり、骨が変形してしまったりすることもあるようです。
ただ、飼い始めは小さめのケージで飼い、ケージから出すときは首輪やリードなどを使って、コミュニケーションをとることで、猿が自分勝手な行動をすることを防げるようです。
止まり木
ケージの中に、猿が飛び移れるような、止まり木を何本か設置してあげるといいようです。
ケージの中間くらいの高さで、猿が休憩できるようにしてあげるといいようですよ。
餌や水の容器
清潔に保てるようなものであれば、どのようなものでも大丈夫なようです。
ただ、猿は齧って壊してしまうので、丈夫なもののほうがいいようです。
設定温度
ケージの周りは、30℃くらいに保つのがいいようです。
エアコンによる温度管理はもちろん、ケージの中にホットスポットを作ってあげることも大切なようです。
紫外線ライト
室内で猿を飼育する場合、日光不足で病気になってしまうこともあるようです。
日光が当たるところにケージを置くか、紫外線ライトを設置することが必要なようです。
経済的な負担がかかる
猿自体の価格も高いのですが、先にも触れたように、飼育環境を整えるのにもとても費用がかかります、止まり木など猿が壊してしまうので初期費用だけではなく、定期的に交換する費用もかかってきます。
また、病気の場合やエサの費用など、猿は他のペットと比べて経済的な負担がかかると、認識したほうがいいようです。
しつけが難しい
先にも触れましたが、猿は本来、ペットとしての習性が無い為、しつけは出来ない動物です。
トイレや、飼い主への態度など「しつける」ことが出来ないのです。
そのうえ、猿は自分よりも格下だと思うと、攻撃する習性がある為、飼い主が主導権を握っておくことがとても大切だったり・・。
私達が想像するペットの「しつけ」とは訳が違うようで、猿に対して極端に怒ると怖がってストレスをためてしまう、かといって甘やかすとなめられる。
賢いだけに、そのさじ加減がとても難しいようです。
なので、人間同士と同様に、猿の習性や心理を理解して、信頼関係を築いていくことが大切なようです。
ペットとして飼える猿の種類は?
猿にはたくさんの種類がいるって、ご存知でしたか?
飼育できる猿の種類と特徴を紹介しますね。
リスザル
ペットとして飼育されている猿の中で、一番よく耳にする名前なのではないでしょうか。
- 原産国はアメリカ
- 体がリスのように小さく、色は黄色がかった茶色
- 体長約30センチ 体重1キロ未満程度
コモンマーモセット
現在、個体数が減少していてワシントン条約によって保護されているそうです。
- ブラジルに生息
- フサフサの耳毛が特徴的
- 体長約18センチ 体重約250グラム
スローロリス
コモンマーモセットと同様にワシントン条約によって保護されているそうです。
- 熱帯雨林に生息
- ずんぐりした体型、大きな丸い目、平たい顔、丸い頭
- 体長約25センチ 体重約400グラム
アカテタマリン
人懐っこく、好奇心旺盛で、昼行性な猿のようです。
- アマゾン川流域の熱帯雨林に生息
- 「アカテ」の名の通り、手足の先だけが赤色で黒い体毛
- 体長約25センチ 体重約500グラム
ピグミーマーモセット
世界で2番目に小さい猿だそうです。
- アマゾン川上流付近に生息
- ニホンザルのように人間に近い作りの顔
- 体長約15センチ 体重100グラム
ニホンザル
日本で猿と言えばやはりこれ、な、イメージですよね。
日本の様々な場所で見られる、日本固有の猿です。
とても賢く上下関係にも敏感で、一度なめられたら、もう飼育はできないとも言われているそうです。
体長約50センチ 体重10キロ
ただ、ニホンザルは飼育できるとはいえ、ペットショップなどで販売されているのではなく、各地方自治体から許可を取らないと飼育はできません。
フサオマキザル
猿の中で最も賢いと言われ、介護猿として教育されることもあるそうです。
- 南アメリカの熱帯雨林に生息
- 淡褐色や黒褐色の荒い体毛
- 体長約50センチ 体重約4キロ
ショウガラゴ
耳がとてもよく、大きな音にストレスを感じてしまうことがあるそうです。
- アフリカ大陸に幅広く生息
- 大きな目と耳が特徴的
- 体長約20センチ 体重約300グラム
猿の値段は?
「飼える猿」といっても、たくさんの種類があって、見た目も性格、生活スタイルも様々なようです。
お値段に差はあるのでしょうか?・・調べてみました。
- リスザル
40~60万円 - コモンマーモセット
30~45万円 - スローロリス
50~60万円 - アカテタマリン
45~60万円 - ピグミーマーモセット
50~120万円 - ニホンザル
60万円程度 - フサオマキザル
子供は50万円程度なようですが、高いと100万円以上するようです - ショウガラゴ
30~40万円
・・猿自体とても高価な動物なのですね。
ペットとして飼いやすい猿は?
猿には、たくさんの種類がいることと、私達に飼えることはわかったけれど、その中でも特に飼いやすい猿ってある?
先に挙げた8種の猿の中で、「飼いやすい」と言われている猿は
- リスザル
- コモンマーモセット
- ピグミーマーモセット
のようで、これらの猿は小型のためケージで飼えるうえ、比較的人に懐きやすいと言われているそうです。
猿の寿命は?
大事な家族の一員のペット。
もしお迎えしたら、どれくらい一緒に過ごせるの?猿ってどれくらいの寿命なの?
・・・これも猿の種類によって、違いがあるようです。
1種類ずつ見ていきましょう。
- リスザル
15~20年程度 - コモンマーモセット
7~10年程度 - スローロリス
10年程度 - アカテタマリン
10~15年程度 - ピグミーマーモセット
12年程度 - ニホンザル
20~30年程度 - フサオマキザル
30年以上 - ショウガラゴ
12年程度
種類によって寿命もだいぶ違うのですね、ただ、生き物である為、個体差があることと、猿の種類によっては飼育に当たってのノウハウがまだ乏しい為、野生下ならば、もっと長生きすると思われる猿の種類もあるようです。
つくづく、猿は「野生動物」なのですよね。
まとめ
猿は飼えるとはいえども、「ペット」とは違うスタンスで、捉えたほうがいいようです。
野生動物を家で飼育する、という認識のほうが、近いのかもしれませんね。
人間と同じ霊長類のせいか、私達が持つ嫉妬や妬み、好き嫌いといった感情も持っていると言われている、猿。
そのぶん、好きになって信頼関係をしっかりと築けた飼い主とは、強い絆で結ばれるようです。
多くの勉強や、覚悟、心構えが必要になりますが、猿を飼うことは決して「不可能」でもないのです。
いかがでしょうか。
飼った後に「やっぱり無理」などと、途中でギブアップすることだけは、ないように。
感情があると言われているだけに、途中で放り出されたら、きっと猿は心に深い傷を負ってしまいますよね。
じっくりと考えたうえで、慎重に検討してみてください。