メダカを飼育していると「ビオトープ」という言葉に興味を持つようになるかもしれません。
「水槽での飼育とどこが異なるのか?」といった違いや、「誰にでもできるのだろうか?」「挑戦したいが何から始めてみたらいいのか分からない」という方にむけてまとめてみました。
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ビオトープって何?
ビオトープとは簡単に言えば、「生き物が生息する空間」の事です。
飼育とは違う、自然そっくりに家庭の庭などに人工的に作り出し、「様々な水辺の生物や植物の生態を身近に観察できる」ということでじわじわと人気が出てきています。
ビオトープは何が良いの?
飼育とは違いもちろんビオトープには枯草は浮かび、苔なども生えてきます。
長ければ長いほど、自然に近づいてくるビオトープにはどのような良い事があるのでしょうか?
- 生物の生態をあるがままに観察できる
- 自宅で出来るため、観察に出かける手間が省ける
- プランクトンが発生しやすいため餌やりの回数が少なく済む
- スペースさえあればベランダでも出来る
- 環境について考える機会となる
こういった利点があるのです。
お子様とも一緒にできるので、教育の場としても適していると言えますね。
ビオトープの基本的な作り方は
ビオトープという言葉だけだと少し難しく考えてしまうものですが、準備するものは身近にある物で大丈夫ですので興味を持ったらすぐに取り掛かることができますよ。
まずは、準備するものを紹介しましょう。
- 容器(透明なもの、口が広いものの方が観察しやすくなります)
- メダカ
- 水
- 水草
- 底床(砂利や土など)
ではさっそく作っていきましょう。
- ビオトープを作る前日に水道水を汲んでおきましょう。カルキ抜きをしておくためです。
- きれいに底床を水洗いしましょう。
- 容器にカルキを抜いた水、底床を入れます。
- 舞い上がった底床の砂利や土が沈殿するまでしばらく待ちます。
- 沈殿を確認したら水草をいれましょう。
- 翌日になってからメダカを入れます
このような順番が基本的なビオトープの作り方です。
注意することは、メダカを容器に移す際の温度です。
元々メダカを入れていた水槽とビオトープの水との温度差をなくすため、水槽の水も少し一緒にいれましょう。
ビオトープの容器は何が良い?
ビオトープを作る時の容器は水が溜められ、メダカが十分に泳げる大きさであれば基本なんでも良いのですが観察しやすいものとしていくつかご紹介します。
- 睡蓮鉢
- プランター(穴があいてないもの)
- 発泡スチロール
- 火鉢
こういった物を用意するといいでしょう。
いずれも、観察しやすく口が広く、深さもあり、水槽よりも大き目なものという特徴がありますね。
この中でも特に好まれるのは「睡蓮鉢」です。睡蓮鉢とは、睡蓮を栽培するように口の部分が広く、深さも適度にある鉢でメダカ飼育にはよく使われます。
この、容器選びで注意しておきたいことは
プラスチック製や発泡スチロールは劣化が早い
という事です。
ビオトープは基本的には屋外に設置をするため、直射日光や気温の変化、風雨によってプラスチックや発泡スチロールの劣化は当然起こります。
突然穴が開いたり割れたりといった心配が出てきます。
何年も同じ容器で行うことを考えるのであれば、強度のある容器を選ぶようにすると良いですね。
ビオトープの底床は何が良い?
ビオトープに欠かせないのは「底床」です。
底床って何?と聞きなれない言葉ですが、簡単に言えば水槽の底にある砂利や土の事です。
この底床にバクテリアが付着をしてメダカの排泄物を濾過してくれたり、水草を安定させたりします。
これには様々な種類があるので好みやビオトープの経験に合わせて選んでみましょう。
- 砂利
- 赤土玉
- ソイル
このような種類がありますのでそれぞれの特徴や利点についてみてみましょう。
砂利
川底にあるような細かな砂利は水草を底で安定させるためには最適です。
また、灰色や白色など明るい色なので水中の観察がしやすくなる利点があります。
初心者はまず、砂利から始めるとうまくいきやすいでしょう。
赤玉土
園芸用として販売されている「赤玉土」はホームセンターなどで安く購入できるのでお手軽です。
大きさも小粒から大粒まで様々です。
表面に多くの穴が開いていて、バクテリアが付着しやすいので水質の安定につながります。
↓コチラの記事も参考に
ソイル
「土」の事ですがビオトープ用に栄養分を含めて焼き固められたものです。
そのため、メダカにとって最適な水質を作りやすいのですが定期的に交換をしなければならないという手間がかかります。
少し上級者向けです。
底床のビオトープ向けに作られたものを希望する場合はペットショップや熱帯魚専門店等で販売されています。
自分に合ったものを選ぶことでビオトープも作りやすくなります。
ビオトープの時のメダカの餌は何が良い?
ビオトープは自然の生息地に近い環境ですので、野生のメダカと同じように水中にあるミジンコなどのプランクトンを食べます。
しかし、限られた小さなスペースですので十分なプランクトンがあるとはいえません。
水槽のメダカのように毎日あげる必要はありませんが、週に一度程度メダカの様子に合わせて飼育用の「粉末状のメダカの餌」を与えます。
ただし、食べ残しによる水質の悪化を防ぐために少しずつ、食べ残しが出ないように観察をしながら与えることを行ってくださいね。
水換えの方法は?
ビオトープが出来上がって2週間ほどは水中のバクテリアが少なく、浄化作用も弱いために小まめな水替えが必要です。
3日に1回程度、水量の3分の1を入れ替えるくらいの割合で水替えを行います。
もちろん、水道水を使う際のカルキ抜きは事前に行っておきましょう。
それ以降は頻繁に変える必要はありませんが、水質の状態により適度に水替えします。
屋外であることで水が蒸発することも考慮して水を足してあげることも必要です。
小さめのビオトープであれば浄化作用も弱いため小まめな水替えを行いましょう。
↓コチラの記事も参考に
冬越しはどうすればいい?
メダカは水温が低くなれば餌を食べず、動きが鈍くなる「冬眠」を開始します。
ビオトープのメダカも自然のメダカと同じように、気温が低くなれば冬眠を開始しますが、表面に氷が薄く張る程度の寒さであれば冬を越すことができます。
しかし、極寒で水深深く凍るほどの気温であれば、当然生きていられないので対処が必要となります。
対処としては、
- 氷が厚く張らないような深い容器
- 容器の周囲を段ボールなどで覆い、寒さを軽減させる
といった対処をして氷が張らないように工夫をしましょう。
ビオトープは室内でも作れるの?
「ビオトープ」としての意義を忠実に考えると室内に作ることは「ビオトープ」と厳密には言えないかもしれません。
それでもビオトープを作ることは作れるのですが“自然と同じように”はならないため日光不足により水質の悪化も早いため管理が難しくなるのでより細かな手入れが必要となるでしょう。
まとめ
自然に近い環境を初めに作っておけば、飼育よりもあまり手間がかからないようですよね。
観察をすることでメダカの生態にも詳しくなりそうですし、何よりも四季の移り変わりも敏感に感じるようになりそうですね。
自然の大切さ、厳しさを身近な自宅で感じ取ってみてくださいね。
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