メダカを飼育する上で欠かせない作業が水換えです。
水換えは面倒であまりやりたくない事ですが、定期的にする必要があります。
メダカにとって水はまさに「命の水」で、水質が悪化すると生命の危機につながります。
水質を適切に管理しないと、飼育が簡単と言われているメダカでも長く生きていくことはできません。
それでは、メダカの水換えで必要なものや気を付けることをご紹介していきます。
Contents
メダカの水換えに必要な道具
メダカの水換えをするのに必要な道具を確認していきましょう。
- 水を溜め置くバケツ
- カルキ抜きした水
- ポンプ(専用のものor新品の灯油用のポンプの口にガーゼをつけて輪ゴムでくくったものなど)
- 目の細かい網
- タオルや雑巾
以上のものを用意しましょう。
バケツは水槽から抜いた水を入れたり、カルキ抜きをした新しい水を入れておくのに必要になります。
メダカを飼育するうえでバケツは本当によく使います。
水槽に合った大きさのバケツを用意しましょう。(小さめのバケツを2個などでも大丈夫です)
水はカルキ抜きしたものを使用します。
市販のカルキ抜き剤を使用するか、晴れた日に最低一昼夜の間、屋外に置いた水を使用しましょう。
最近のカルキ抜き剤はメダカに必要な成分を含んだ製品もあるので、カルキ抜き剤を使う方が楽で安心かもしれません。
メダカのカルキ抜き剤です。
ポンプは水槽から水を抜く為に必要になります。
灯油用のポンプなどでも代用できますが、専用の物は水槽底に溜まったフンやエサの食べカスを取り出す機能もあるので予算があれば専用のホースの方が作業効率が上がります。
プロホースです。
目の細かい網は水槽内のゴミをすくうのに使います。
網の目が細かいほうがゴミを取りやすくなります。
また、水換えの際にメダカを非難させる場合にも使用します。
水換えの際に多少水がこぼれると思いますのでタオルや雑巾は用意しておきましょう。
もし水換えの際に水槽のコケ取りなどをする場合はコケ取りシートなどがあると便利ですが、この記事では基本的な水換えの道具に留めておきます。
メダカの水換えの方法
さて、水換えをする道具の準備は完了しましたね。
それでは水換えの方法を見ていきましょう。
1:水槽内の水を抜く
ポンプを使って、水槽内の水を3分の1ほど抜き取ります。
この時、ポンプでメダカを吸い込まないように注意します。
水槽内に溜まっているメダカの糞やゴミもできるだけ一緒に吸い出しましょう。
2:網を使って水槽内のゴミを取り除く
水を抜き取ったときに取りきれなかった糞やゴミを取り除きます。
砂底をかきまぜないよう、静かに動かしましょう。
3:水を水槽内に入れる
カルキ抜きして温度を合わせた水を、砂底が舞い上がったり水草が抜けたりしないよう、少しずつ静かに水槽内に入れます。
一気に入れるとメダカが驚いてしまうので注意しましょう。
これで水換えは完了です。
水換えはメダカにストレスを与えてしまうので、できるだけストレスをかけないような方法を心がけましょう。
メダカの水換えの注意点
水換えの簡単な方法は分かりましたね。
ここではメダカの水槽の水換えをする際の注意点を見ていきましょう。
これから紹介する注意点は私個人がメダカを飼育していて気づいた事ですので一般的な注意点と少しずれているかもしれません。
メダカの水換えは全部しない
よく水槽の水換えする時には3分の1の水を変えましょうと説明されています。
メダカを飼育している水槽内の水にはこれまで培ってきた「バクテリア」が生息しています。
このバクテリアの主な役割は「水質の安定化」です。
メダカのフンや食べ残しを分解して水質の悪化を防いでくれているのです。
確かに水をきれいにしようと思えば水槽内すべての水を変えてしまえばいいと思いますが、それでは水槽内のバクテリアが減少していまい、せっかく水換えをしても直ぐに水質が悪化してしまうかもしれません。
バクテリアという観点では水換えと同時に底砂の掃除やろ過装置の掃除は同時にしてはいけません。
底砂やろ過装置にはバクテリアが住み着いているので、これらを水換えと同時に掃除してしまうとバクテリアが一気にいなくなり、水槽のリセットと変わらなくなってしまいます。
メダカの水槽の水換えの際には見た目の汚れだけではなくバクテリアについても考えてみましょう。
新しく入れる水の温度に注意する
出来れば新しく追加する水は前日から水換えする水槽の横に置くなどして水温を合わせておきましょう。
メダカは急激な水温の変化に弱い魚です。
例えば私たち人間がお風呂に入っていて、急に3分の1のお湯を抜かれてびっくりしているところに水道水を入れられたらどうなるでしょうか?
高齢の方ならとても危険な状態だと思います。
考えただけでもゾッとしますね。
メダカも一緒です。
いきなり水温の違う水を入れられるとストレスになり、最悪死んでしまいます。
新しい水を入れる時にビニール袋が便利
水槽に新しい水を入れる時はそっと入れて底砂に溜まった汚れが舞い上がらないようにしましょう!
こう説明されると「そうか」と納得して試すのですが、底の浅い水槽ではそっと水を入れても底砂に水が当たって汚れが舞い上がることが良くあります。
こういう場合は汚れていないきれいな「ビニール袋」を水槽に浮かべて、その上に水を落とすと汚れが舞い上がらすに水を入れることができます。
ビニール袋以外でも水を入れる時の衝撃を和らげてくれるクッションになるものがあるのなら何でも大丈夫です。
特に屋外で飼育されている場合は浅くて広い容器を使っていることが多いと思いますので、水を足す際にもこのテクニックは役立ちますよ。
水換えの際にメダカを非難させておく
これは賛否両論あると思いますが、水換えの際にメダカを非難しておくとメダカに気を遣わずに水換えができます。
特に水槽のゴミを網ですくっているときにメダカもすくってしまうというのはあるあるではないでしょうか?
なら最初からメダカを非難させておこうという考え方です。
ただメダカを網ですくう事はメダカの負担にもなり、メダカを非難させておく水と容器が必要になります。
水質悪化の原因はエサの与えすぎ
私の経験上、水質悪化の原因はエサの食べ残しとメダカのフンや尿です。
それを分解するためにバクテリアが必要なのですが、バクテリアの浄化作用とエサの食べカスやメダカのフンや尿のバランスが崩れると水質が悪化して水換えが必要になってきます。
(厳密には水草などの浄化作用など他の要因も関係してきます)
メダカの繁殖などを考えている人はエサを多めに与える事があると思いますが、やはりエサを与えたら与えた分エサの食べ残しとメダカのフンや尿は増えます。
適度な繁殖でよい場合はエサの量を減らすと相対的に水換えの頻度も減ってきますし、水質が悪化しづらいので病気の予防にもなります。
水換えでメダカが死ぬこともある
メダカの健康を考えて行う水換えですが、これが原因でメダカが死んでしまう事もあります。
主な原因に
- カルキ抜きしていない水を使った
- 水を全部交換してバクテリアが減って水質が悪化してしまった。
- 冬に水換えをしてメダカに負担をかけた
- 水換えの水との温度差がありすぎた
などがあります。
たかが水換えと考えずに慎重に行いましょう。
水換えの季節ごとの頻度
水換えの頻度は、飼育している容器の大きさ、メダカの数、季節などによって異なりますが、ここでは季節ごとに目安となる水換えの回数をご紹介します。
- 春と秋:2週間に1回
- 夏:1週間に1回
- 冬:水換えはしない
これは季節ごとの目安ですので、水量に対してメダカの数が多いほど水質の悪化は早くなるので、水換えの頻度は多くなります。
一定の期間ごとに水換えを行い、メダカにとって良い環境をキープしてあげられるようにしましょう。
屋内飼育の場合、季節はあまり関係ないと思いますので2~3週間に一回程度になります。
以下は主に屋外飼育の場合の説明です。
春と秋のメダカの水換えの頻度
春は水温が10度を超えてくると、メダカが冬眠から覚めて動き出します。
その頃になると少しずつエサを与えると思いますが、エサやりを定期的に始めたころに水換えを開始しましょう。
秋から掃除をしていないので春に水槽を一度リセットして大掃除する人もいるそうです。
秋は気温が下がりメダカの活動量が減ってエサの食べも悪くなってきます。
エサやりの回数が減り、水が汚れなくなってくるので水換えの頻度も少なくて大丈夫になります。
夏のメダカの水換えの頻度
夏はメダカが活発に活動し繁殖する季節です。
エサもたくさん食べるので、エサの食べ残しとメダカのフンや尿で水質が悪化します。
水温も上がるのでエサの食べ残しは腐りやすくなり、富栄養化してコケも良く生えてきます。
当然水質が悪化しやすいので水換えの頻度も多くなります。
冬のメダカの水換えの頻度
メダカは水温が10度を下回るようになると活動量が低下し、冬眠に入ります。
冬眠中は餌も食べず、ほとんど動かずにじっとしています。
水質も極端に悪化することはないので、冬眠の邪魔をしないよう、水換えは極力しないで蒸発した水の補給をしてきます。
屋内で飼育していたり、ヒーターで加温していて、メダカが冬眠せずに餌を食べているようなら、適宜水換えをする必要があります。
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水換えが不要な場合もあるの?
屋外飼育など水鉢で飼育していて、水草などの植物と水中の生き物との生態系が整っていると、基本的に水換えは不要な場合があります。
水辺の生態系を人工的に再現したものを「ビオトープ」と言い、水草やバクテリアなどの浄化作用だけで水はきれいに保たれるので、水換えはせずに蒸発した分の水を足すだけで循環し続けることができます。
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水換えの後の餌やりについて
水換えをした後は、餌はしばらく与えないようにします。
水槽内の飼育環境は水換えをする前とした後で大きく変わってしまいます。
メダカはその変化した環境に慣れようとしますが、そうするとメダカの体に負荷がかかっていることになります。
そんな状態でメダカは餌を食べると、消化するためにまた体に負荷がかかります。
環境の変化による負荷と、消化のための負荷が二重にかかってしまうことになります。
また、水換えによってそれまでいたバクテリアも減っており、水質浄化の効果は以前ほど期待できなくなります。
食べ残した餌が水質を悪化させるリスクが高い状態です。
1~2日は餌をあげるのを控え、様子を見てから餌をあげるようにしましょう。
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まとめ
メダカを飼育していると、食べ残した餌や糞、腐った水草などが原因で水質はどうしても悪化してしまいます。
水換えはただ古い水と新しい水を入れ換えるだけではありません。
少し面倒な作業ではありますが、メダカを長く楽しむためにも、定期的な水換えで水質管理を怠らないようにしましょう。
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