飼い猫と遊んでいると、いきなりガブッ!
いわゆる「甘噛み」です。
飼い猫が甘噛みしてくることに悩んでいる飼い主は結構います。
猫は何故甘噛みしてくるのでしょうか。
猫が甘噛みをする理由を探っていきましょう。
Contents
猫が甘噛みする理由は?
猫が甘噛みをする理由は以下のようなものが考えられます。
- ネックグリップの名残
- 撫でられるのが嫌だから
- 愛情表現
順番に見ていきます。
ネックグリップの名残
「ネックグリップ」とは、「母猫が移動の際に子猫の首を軽くくわえたり、交尾の際にオスがメスの首に軽く噛みついたりする行動」をいいます。
移動や交尾の際に相手にバタバタ動かれては上手くいかないこともあるため、相手にじっとしてもらいたい、すなわち「動きを抑制したいとき」に行うことが多いようです。
飼い主に対して行うときは、「向こうに行くな!もっと遊んで!」という気持ちが込められていることが多いため、いつもより多めに遊んであげたら喜んでくれそうですね。
撫でられるのが嫌だから
飼い主は猫が可愛くていとおしいため撫でていますが、「撫でられるのは嫌いじゃないけど、いつまでも撫でられるのは嫌だな…。」と感じる猫は実は結構います。
猫は言葉を話せませんので「もう止めてよ!」との意味を込めて、甘噛みすることがあるようです。
もし、甘噛みの前に撫でていたのであれば、ちょっと回数や時間を減らしてあげた方が良いかも知れないですね。
愛情表現
甘噛みは、親子間や兄弟間でしばしば見られます。
甘噛みをする猫からすれば、飼い主は親や兄弟のようなものであり、このことから、猫は決して危害を加えるために噛んでいるのではなく、甘えていることが分かります。
しかし、しつこい愛情表現が嫌われてしまうのと同じく、しつこい甘噛みは親や兄弟を怒らせてしまいます。
そのときに、親や兄弟から「痛い!」や「しつこい!」の意味で噛まれたり引っ掻かれたりします。
これは本気の攻撃ではなく、いわば「教育的指導」を受けている状態です。
これにより、猫は甘噛みの力加減や限度などを学び、猫同士のコミュニュケーションを身に付けていくのです。
猫は甘噛みをいつまでするの?
「子猫のときから甘噛みをしてくる子だったけど、大人になっても甘噛みを止めないなあ…。」と頭を抱えている人もいるかと思います。
実は甘噛みは大人になったら自然に卒業!という訳ではなく、猫がいつまで甘噛みをするかは個体差があります。
つまり、大人になっても甘噛みをし続ける猫もいるのです。
では、甘噛みをする猫としない猫の差は何なのでしょうか?
前述した通り、甘噛みは、相手を抑制したり甘える意味がありますが、適切な力加減や限度は親や兄弟から学びます。
しかし、何らかの事情で生後すぐに親や兄弟から離れてしまったり、ずっと1匹で飼われてきた猫もいます。
このような猫は、親や兄弟から力限度や限度を学ぶ機会に恵まれなかったため、しつこく甘噛みをしたり大人になっても甘噛みをしてしまうことがあるのです。
知らないことは学んでいくしかありません。
親や兄弟にかわって、飼い主のあなたが甘噛みの力加減や限度を教えてあげて下さい。
猫の甘噛みにはしつけは必要なの?
甘噛みされても気にならないなら良いですが、甘噛みされて痛いと感じていたり、家族に小さな子どもやお年寄りなどがいるのであれば、止めるようにしつけや対策をした方が良いでしょう。
甘噛みに対するしつけや対策としては以下のようなものが挙げられます。
- そもそも手を出さない
- 注意はその場で行う
- 指を口の奥に突っ込む
それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
そもそも手を出さない
猫と遊んでいるときに、おもちゃを使わずに自分の手でちょっかいを出していませんか?
猫は、あなたの手をおもちゃと勘違いして噛み付いている可能性があります。
甘噛みによる思わぬ怪我を防止するためにも、ねこじゃらしなどのおもちゃを使うようにしましょう。
なお、ねこじゃらしなどのおもちゃは、ペットショップやドラッグストア、100円均一ショップなどで販売されています。
「これは遊んでくれるかな?」や「猫が喜んでくれるかな?」などと考えながら選ぶと、楽しそうですね。
注意はその場で行う
甘噛みをした猫に注意をするのであれば、甘噛みをしてきたそのときにするようにしましょう。
そもそも猫に悪気はない訳ですし、時間が経ってから注意しても、猫は何故注意されたのか理解出来ません。
むしろ、「飼い主が嫌がらせをしている!」とすら思ってしまいます。
このときに注意をしたいのが、「名前を呼ばないこと」です。
注意のときに名前を呼んでしまうと、名前を呼ばれる度に叱られたり嫌なことがあると猫が勘違いをしてしまうからです。
「だめ!」や「痛い!」といった、短くかつ的確に伝わる言葉を選んであげましょう。
指を口の奥に突っ込む
甘噛みをしてきたら、そのまま指を口の奥に突っ込んでみましょう。
そうすると、当然猫は苦しいので甘噛みを止めます。
ちょっと可哀想な気もしますが、甘噛みの度に口の奥に指を突っ込むことを続けると、猫は「甘噛み=苦しくなる」と学習し、甘噛みをしなくなります。
↓コチラの記事も参考に
猫が甘噛みキックするのは何故?
痛いと感じることもある甘噛みですが、中には甘噛みだけではなく、甘噛みからキックまでしてくる猫もいますよね。
甘噛みからのキックには、一体どんな意味があるのでしょうか。
猫にはもともと狩りをする習性がありますが、飼い猫は狩りの回数は激減したかほぼなくなった猫が大半です。
猫の攻撃といえば引っ掻くや猫パンチのイメージがありますが、狩りのスイッチが入るのは実は「噛む」ということなのです。
つまり、最初は甘噛みのつもりでしたが、噛んでいるうちに猫としての本能が目覚めてしまい、噛むだけではなくキックまでしてしまうのだと推測出来ます。
とはいえ、飼い主を狩ろうとは思っていないため、落ち着けば甘噛みキックを止めます。
キックまでするようになったら、ちょっと離れて猫が落ち着くのを待つと良いでしょう。
甘噛みされてミミズ腫れになるのは大丈夫なの?
「うちの猫ときたら甘噛みしちゃって仕方ないなあ。でも、愛情表現だからなあ」と思っている人もいると思いますが、甘噛みをされた部分がミミズ腫れを起こしている場合はちょっと待って下さい!
実は、猫の口の中には目には見えない無数の雑菌がいます。
その中には無害なものもあれば人間にも移ってしまうものもあり、人間に移るものは「人獣共通感染症」と呼ばれる病気を発症してしまう恐れがあります。
特に抵抗力が低いまたは落ちている子どもやお年寄り、妊婦がいる場合は気を付けた方が良いです。
「野良猫や外に散歩している猫は雑菌がいても仕方ないけど、完全室内飼いの猫は大丈夫でしょう?」と思う人もいるかと思います。
ですが、猫は毛繕いをするときに肛門付近を舐めることがあり、肛門に付いた糞や尿などが猫の口の中に入ります。
当然、糞の中に含まれている雑菌も口の中に入ってしまいます。
それが甘噛みをすることにより人間に移り、抵抗力が低いまたは落ちている場合に人獣共通感染症を引き起こしてしまうことがあるのです。
猫に甘噛みをされたら、まずは水で傷口を洗いましょう。
その後、傷口を消毒液で消毒し、病院に行きましょう。
皮膚科や形成外科がある総合病院が良いでしょう。
なお、人獣共通感染症は甘噛みだけではなく、猫と食べ物を共有したり猫の口にキスをするなどの過剰なスキンシップでも発症することがあります。
猫は大切な家族ですが、人間とは違うことを頭の片隅に置いておいた方が良いかも知れないですね。
まとめ
猫の甘噛みには、相手に対する甘えや抑制の気持ちがあることが分かりました。
甘噛みを止めるようになるまでにかかる時間は個体差があり、すぐに止めてくれる猫もいれば時間のかかる猫もいます。
怒ったりせかしても猫が怯えて意味がないため、気長に教えてあげましょう。
また、甘噛みされてミミズ腫れになってしまった場合は念のために病院に行った方が良いです。
猫との暮らしがより良いものになると良いですね。