致死性の高い猫のウイルス性の疾患のひとつ、FIP(猫伝染症腹膜炎)。
今回はFIPについて、原因や初期症状などを詳しく調べてみました。
ひとつずつ見ていきましょう。
Contents
FIPの原因は?
先にも少し触れましたが、FIPについては解明されていないことが多いく、その原因についても、はっきりとわかっていないのが、現状のようです。
ウイルスが猫の体内で突然変異をして、血管や様々な臓器に炎症を起こす病気で、発症すると99%は死亡すると言われ、中には発症後、数日で亡くなってしまう場合もあるそうです。
発症してしまう経緯としては
- 猫がコロナウイルスに感染する
- コロナウイルスが体内で突然変異してFIPを発症する
となるのですが、それぞれ、詳しく見てみると
猫がコロナウイルスに感染する
FIPのもととなるウイルスで「猫コロナウイルス」と呼ばれています。
このコロナウイルス自体は弱毒性で、60%の猫がこのウイルスを保持していると言われているようです。
弱毒性である為、仔猫や体が弱い猫などは
- 下痢や嘔吐
- 微熱
などの症状が表れることがありますが、ほとんどの猫は無症状のようです。
このコロナウイルスの感染力はとても強く、外で過ごしている猫よりも、多頭飼いや保護センターなど同じ部屋で過ごしている猫への感染率が高いようです。
コロナウイルスが体内で突然変異してFIPを発症する
猫コロナウイルスを保持していることは、それほど大きな問題ではないようなのですが、問題になってくるのは、そのコロナウイルスがFIPウイルスに突然変異してしまうことのようで、一度変異してしまうと、元に戻ることはないようです。
また、変異する原因については、はっきりとは解明されていないようなのですが、
- 生後4ヶ月から3歳までの猫
- 14歳以上の高齢の猫
- 過度なストレスがある猫
- 免疫力が低下している猫
などの猫に、多く見られるようです。
テリトリーへの意識が強い猫の性質などから、多頭飼いであることが、ストレスの要因になっているのではないかとも言われているそうで、実際のところ、多頭飼いと単頭飼いとでは、多頭飼いの方が発症する確率が高いとも言われているようです。
体力的に弱っていたり、免疫力が低下していたりしている上に、ストレスが重なってしまうことが原因なのでは・・・と、言われているようで、猫全体としてのFIPの発症率は1~5%と言われているようです。
FIPの初期症状は?
FIPを発症した場合、どのような症状が見られるのでしょうか。
FIPを発症すると、1~2ヶ月で色々な症状が見られるようですが、FIPの症状には
- ウエットタイプ
- ドライタイプ
のふたつのタイプがあり、それぞれ異なる症状があるようです。
詳しく説明すると
ウエットタイプ
その名前の通り、「水(体液)」が深く関係してくるようです。
血液中のタンパク質を含んだ体液が、血管の外に漏れてしまい、お腹や胸などにその体液が溜まってしまうそうで、お腹が異様に膨れたり、呼吸困難を引き起こしたりして、数日で亡くなってしまうこともあるそうです。
主な症状としては
- 食欲不振
- 発熱
- 嘔吐・下痢
- 体重の減少
- 元気喪失
- くしゃみ・鼻水
- 腹部に体液が溜まる
- 胸部に体液が溜まる
- 呼吸困難
などになるようです。
ドライタイプ
ウエットタイプと違い、分かりやすい症状が表れないそうで、ベテランの獣医師でも確定的な診断をすることは難しいと、言われているようです。
肉芽腫性の腫瘍が、腎臓や肝臓、腸などに出来ることもあるそうで、ウエットタイプが進行してドライタイプを発症することも多いそうです。
主な症状としては
- 食欲不振
- 発熱
- 嘔吐・下痢
- 体重減少
- 元気喪失
- 仔猫の場合は成長の不良
- 貧血
- 黄疸
- 目の炎症・失明
- 神経症状
- 肉芽腫
などになるようで、病気の進行のスピードは個体差が激しいそうで、一気に悪くなってしまうこともあれば、ゆっくり進行していくこともあるようです。
まとめ
FIPはとても恐ろしい病気であることが、わかりました。
解明されていることが少ない為、予防用や治療法、検査方法など、分からことが多いところも不安になります。
現在はFIPと診断された場合は、様々な治療を手さぐりで開始するかたちになるそうです。
ただ、少しずつワクチンなども開発され始めてもいるようです。
いつか、完治できる治療薬が登場することを、強く願いたいところです。