長い間土の中でじっとしていたカブトムシがいよいよ羽化をする時期。
立派なカブトムシになるための大一番といっても過言ではないですよね。
そんな羽化を成功させるために私たち人間があらためて準備しておくことはあるのでしょうか。
初めて経験をする人にとっては分かりづらい事でもありますよね。
今回はそんな羽化が上手く行くためにも知っておきたい知識と対処について確認をしておきましょう。
Contents
カブトムシの羽化の時期は?
カブトムシが羽化をするのは6月~7月にかけて。
長い長い土の中の生活からやっと地上に出てくるのももうすぐですね。
羽化が近づいてくると、サナギにある変化が起こってくるので分かりやすいのではないかと思います。
その合図は“蛹の色の変化”です。
羽化が近づくとどんどん濃い色になってきます。
蛹になったころと比べると羽化直前の色はこげ茶色に近いでしょう。
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カブトムシの羽化不全とは
“羽化不全”とはその名のとおり羽化が上手くいかず失敗してしまう事です。
- 角が曲がる
- 羽がきれいに閉じない
- 表面がデコボコとしている
といった外見上なんらかの不備が見られることです。
最悪の場合、羽化中に不備のある体の一部が引っかかり体力を消耗して羽化中に命を落としてしまうカブトムシもいるのです。
羽化の失敗原因は?
羽化不全がおきる原因は2つのタイミング時におこりやすいと考えられています。
- 蛹化の時
- 羽化の時
とあるのでそれぞれについて説明をしていきましょう。
蛹化の時
カブトムシはいよいよ羽化をする前になると、蛹室というものを作ります。
土の中に自分がすっぽりと入る部屋と言えばわかりやすいでしょうか。
羽化をするための部屋を自分自身で作ります。
この蛹室が十分な大きさでなかったり、途中で崩れてしまったりすることが羽化不全の原因となることがあります。
手足の伸ばせない窮屈な部屋に押し込まれていると考えると分かりやすいかと思います。
蛹室が出来ていたら出来るだけ振動は与えず、壊さないようにしたいものです。
羽化の時
充分な蛹室で過ごしているのに、肝心の羽化の際に羽化不全が起こることも考えられます。
それは羽化の際に“障害物”があった場合。
湿り気のある土の中にはカビやきのこも発生しやすく、また木くずなどが当たって邪魔になることがあります。
また、羽化の際に出た水分が蛹室の水分と合わさり、蛹室がべちゃべちゃとなることも羽化不全の原因となることがあるようです。
羽化を失敗した場合の寿命は?
羽化不全により、多少形がいびつであったりしても寿命は普通のカブトムシと同じです。
ただし、欠損や形が不十分であることにより普通のカブトムシとの力関係では劣ってしまうこともあります。
けんかに負けたりすると当然寿命も短くなってしまいますからこういったカブトムシは個別で飼育することが一番です。
また、羽化不全により蛹の殻を十分に脱げなかった場合はそのまま力尽きるという残念なこともあるのです。
羽化不全の予防法は?
完全にとはいえませんが羽化不全は対策を取ることにより防ぐことも出来ます。
マットの水分量を適切に
マットが乾きすぎてもべちゃべちゃでも強度のある蛹室はつくれません。
飼育数を適切に
たくさんの幼虫が飼育セットにいれば十分な蛹室を作るスペースも出来ませんよね。
また、羽化も個体差があります。
早く羽化をしたカブトムシが土の中から出てくる際、まだ蛹である他のカブトムシに振動や衝撃を与える可能性もあります。
蛹室が出来たら安静にする
体はまだまだ柔らかく強くありません。衝撃を出来るだけ与えないようにしましょう。
人口蛹室を使う
カブトムシの中には蛹室を作らず、土の上で蛹になるものもいます。
当然、羽化不全になりやすいので人工的に蛹室を作ってあげる必要もあります。
または蛹室が途中で壊れてしまった時にも使えます。
出来るだけ触れない方が良いのですが蛹化してある程度体が固くなってきたころに移してあげることになります。
高温多湿、直射日光を避ける
水分が多い環境はカブトムシの体に水がたまったりと、羽化不全を起こしやすくなります。
急激な温度変化も影響をあたえます。涼しい日陰で飼育するようにします。
このような対策をとることによって羽化不全を起こしにくくなるので気を付けて飼育してみましょう。
羽化しても動かないのは大丈夫なの?
カブトムシは羽化をしてもしばらくはじっとしています。
死んでしまったのではないかと心配になるでしょうが決し触れたりすることないよう様、見守ってください。
じっとしているのは
- 体や羽を固めるため
- 消化器官の成熟中
という理由があるのです。
固い殻で覆われたカブトムシですが、羽化した直後はまだ柔らかいのです。
また、色も白っぽいので病気なのでは?とも思ってしまうかもしれませんが徐々にカブトムシらしい色に変化をします。
とてもデリケートな時期でしっかりと強い体になるための準備期間です。
あまり心配せず、出来るだけ触れないように2週間程度様子を見てみましょう。
立派なカブトムシの誕生はもうすぐです。
カブトムシの羽化後の育て方は?
羽化をして1~2週間後、十分に体の外側、消化器が出来上がれば土の中から出てきます。
待ちに待ったカブトムシですね!外から出てきたらなるべく広い飼育ケースに移してあげましょう。
自然の中のカブトムシは広い山や森で伸び伸びと暮らしているのですからね。
“多頭飼育”をするか“個別飼育”はどちらでもいいのですが、多頭の場合
- ケンカをする
- 体に欠損がある個体はいじめられやすい
という事から寿命が短くなるという事も否定はできません。
このことを避けるのであれば個別飼育に切り替えた方が良さそうですね。
そして大事なことは“エサ”です。
この時期にしっかりエサを食べることが繁殖の準備へと繋がります。
栄養のある物をたっぷり食べさせるようにしておきましょう。
市販の“昆虫用ゼリー”はカブトムシに必要な栄養がしっかり含まれているのでお勧めです。
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まとめ
長い間育ってきた幼虫もいよいよ最終段階の羽化ですが、楽しみであると同時にうまく行くのかどうか心配になることもあるかと思います。
私たち人間が環境、蛹室を整えてあげることによってうまくいく羽化もありそうです。
出来るだけ慎重に、優しく、安静に、を心掛けて羽化を見守っていきましょう。