猫や犬など動物を飼う上で必要とされるワクチン接種ですが、「家から出ることのない猫の場合、ワクチンは打たなくても大丈夫なんじゃないかな」と思う飼い主さんもいるかもしれません。
ところが、感染症にかかるリスクはどんな場合でもゼロではありません。
ウイルスが体内に入って発症する感染症は、ワクチンで予防することができます。
猫のワクチン接種を考えている人のために、その必要性や種類、費用などをご紹介していきたいと思います。
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猫にワクチン接種は必要なの?
ワクチンとは、毒性をなくすもしくは毒性を弱くした病原体をあらかじめ体内に入れることで抗体を作り、もし感染症にかかってしまっても軽度ですむようにするものです。
外部と接触することのない室内飼いの猫ならワクチン接種は必要ないのではないかと思いますが、飼い主やお客さんがウイルスを運んで来たり、万が一脱走した時などに感染してしまうことがあります。
ワクチンによってすべての病気が100%防げるわけではないですが、重症化を防ぐというのは猫にとって重要なことです。
猫の免疫力や年齢によってもワクチンの効果には差がありますが、もし子猫や老猫の場合は感染症にかかると助からないこともあります。
それに、もし感染してしまった場合の治療にはワクチン代よりもはるかに費用がかかってしまいます。
猫を苦痛から守るため、そしていざというときの保険としてもワクチン接種は必要でしょう。
猫にワクチン接種しないとどうなるの?
「もし猫が感染症にかかったら大変だけど、そんなにかかることがないならワクチンは打たなくてもいいのでは?」と考える飼い主さんがいるかもしれません。
でも、猫の感染症は決して珍しい病気ではありません。
猫ウイルス性鼻気管支炎は実に95%以上の動物病院で感染が確認されています。
この感染症は「猫インフルエンザ」と呼ばれることもあり、発熱、くしゃみ、下痢、食欲不振などのいわゆる風邪のような症状が出ます。
重症化すると肺炎や脱水症状を起こして衰弱し、死亡するケースもあります。
ほかの感染症に関しても、ワクチン接種をしていないと同じように重症化して死亡するケースがあるのです。
猫のワクチンの3種・5種・7種って何が違うの?
猫が発症しやすい感染症を防ぐワクチンを組み合わせた混合ワクチンは、その感染症の数に応じて分類されます。
- 猫ウイルス性鼻気管支炎
- 猫カリシウイルス感染症(1種類
- 猫汎白血球減少症
- 猫ウイルス性鼻気管支炎
- 猫カリシウイルス感染症(1種類)
- 猫汎白血球減少症
- 猫白血病ウイルス感染症
- 猫クラジミア感染症
- 猫ウイルス性鼻気管支炎
- 猫カリシウイルス感染症(3種類)
- 猫汎白血球減少症
- 猫白血病ウイルス感染症
- 猫クラジミア感染症
室内外の場合は3種混合でも問題は無いようです。
詳しくはかかりつけの獣医さんに相談しましょう!
猫のワクチン接種の費用はいくら位なの?i
動物病院によって費用は異なりますが、だいたいの目安の金額をご紹介します。
- 3種 4,000円~6,000円
- 5種 5,000円~8,000円
- 7種 7,500円~8,000円
外に出ることが多い猫は感染症にかかるリスクも高くなるので、5種以上の混合ワクチンを接種しましょう。
猫のワクチン接種はいつからするの?
子猫の場合、母猫の初乳(子猫を産んでから1~2日間出る母乳)を飲んで母猫の抗体を受け取ることで、生まれてから8~12週ほどは免疫が機能します。
この母猫の免疫が残っている状態でワクチンを接種すると充分に抗体がつくられないので、母猫の免疫が切れた頃にワクチンを接種するようにします。
初乳を十分に飲んでいる場合は、生後6~8週ごろに初回のワクチンを接種するようにしましょう。
初乳を飲んでいない場合には感染のリスクが高いので生後4週ごろにワクチンの接種をすることもできます。
成猫の場合はいつでもワクチンを接種することができます。
ただし、妊娠しているときには基本的にはワクチン接種はできません。
ワクチンを接種してから2~3週間後に抗体が完成するので、交尾の3週間以上前までには接種しておくようにしましょう。
猫のワクチン接種の頻度は?
1回の接種では効果がない感染症もあるので、初回から2~4週間後に追加接種をおこないます。
ワクチンの免疫の効果は1年ほどなので、2回目の接種が終わったらそれ以降は年に1回のペースでワクチンを接種します。
猫のワクチンに副作用は有るの?
先ほども述べたように、ワクチンはウイルスの毒性を弱めたものであり、それを注射するわけですから副作用があってもおかしくありません。
副作用でよく見られる症状は、
- 発熱
- おう吐
- 下痢
- 食欲不振
- 元気がない
- 呼吸が不規則になる
- 顔のむくみや腫れ
などです。
猫の体質にもよりますが、通常は2、3日で治りますが、中にはアナフィラキシーショックといってワクチン接種後に急激に悪化してしまうことがあります。
アナフィラキシーショックを起こした場合には早急に治療をしなければ死んでしまうこともあります。
子猫や免疫力の低い猫の場合は副作用も出やすいので、ワクチン接種後は安静にして目を離さないようにしましょう。
まとめ
全ての病気がワクチンで予防できるわけではありませんし、費用も手間もかかります。
でも、もし感染症にかかってしまうと、猫は苦しむことになり、その治療にはワクチン接種よりも高い費用や手間がかかってしまいます。
大切な愛猫を守るためには、予防できる病気はしっかりと対策をとるために、必要なワクチンを適切に接種することが大切なのです。