金魚を買ってきたらまずはカルキ抜き水道水を用意しましょう。
でもそれってなぜ?水道水ってなにか毒でも入っているの?いつも身近にある水だからこそあまり気にすることはなかったですよね。
そんな水道水のカルキが金魚にどのような影響を与えるのか詳しく説明をしていきましょう。
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水道水に含まれているカルキって何?
カルキという言葉はよく耳にする言葉ですが、ざっくりといえば「水道水を消毒するためのもの」のことです。
少し難しく説明をすると、“消石灰”に“塩素”を吸収させたもので、漂白や消毒といった作用があります。
その作用を私たちが利用する水道水に活用をしているのです。
ダムに貯められた雨水などは浄水場などで砂やゴミなどを取り除きますが、もちろん目に見えない雑菌も多く含まれますよね。
その雑菌を少なくするためにもこのカルキを使って消毒し、美味しい水道水へとなるのです。
金魚の飼育に水道水をそのまま使っても大丈夫?
水道水=カルキが入っているという事は分かりましたがこれは人体には何の影響もない量しか含まれていません。
お住まいの地域やマンション・一戸建てなど住居種類によって濃度は変わってきますが、国のガイドラインに沿った量であるので安心をしてください。
ただし、金魚の飼育に水道水はN.Gです。
人体には影響ない量ですが小さな小さな金魚には毒となり、健康被害を与える可能性があるからです。
水道水のカルキ抜きが必要な理由は?
金魚に健康被害を与えることがカルキ抜きの必要な理由と分かりましたが具体的にはどのような被害を与えるのでしょうか。
- 呼吸困難
- 皮ふのバリア機能低下
このような被害を与えると考えられていますのでそれぞれについて詳しい説明をしていきたいと思います。
呼吸困難
ご存知の通り金魚はエラ呼吸です。水の中に溶け込んだ酸素をエラを使って呼吸をしています。
カルキの入った水はエラを通過する際に細胞を壊していきます。
そのためうまく呼吸が出来なくなり、生命の維持が困難になっていくのです。
皮ふのバリア機能低下
金魚の体表はぬるぬるとしていますよね。粘膜が表面にあることにより病気などから皮膚を守っているためです。
しかし、カルキはこの粘膜を溶かしてしまい、金魚にとっては“鎧”がなく様々な感染症にかかってしまうリスクが増えるのです。
私たちも思わず漂白剤などが手についた場合にぬるぬるとした後にガサガサと手荒れをした状態になりますよね。
これも濃度の高い漂白剤が皮膚のタンパク質を溶かしているのでこんなふうになるのですよ。
水道水のカルキ抜きの方法は?
カルキは水道水に含まれていても目に見えないのでわかりにくいですよね。
中にはカルキ臭いと臭いでわかる人もいるかもしれませんがカルキは簡単な方法で抜けるのでこちらの方法で抜いて金魚の飼育に役立ててみましょう。
紫外線に当てる
とても簡単で、バケツなどに水道水を汲み日の当たるところに置いて置くだけです。
晴れた日であれば丸一日で十分でしょう。
冬場や曇り、雨の日であれば2.3日くらいです。
ただし、何十日も放置していた水は逆に腐敗したり雑菌も多くなるので気を付けてくださいね。
カルキ抜き剤
塩素を中和させるための薬剤です。
透明の結晶のような形や水質を調整するものと合わせて配合された液体タイプなどが販売されています。
“溶かすだけ”でカルキ抜き完了となるので紫外線に当てるよりも簡単で手間のかからない方法です。
浄水器を通した水道水は大丈夫なの?
浄水器を使用すればすぐに金魚に使えるじゃない!とお思いかもしれませんがちょっとまってください。
浄水器には
「カルキ抜き機能」がないものもあります。
お使いの浄水器をよく確認してみましょう。
カルキ抜き機能が装備されているのであれば、金魚の飼育のために使える水となります。
もちろん観賞魚専用の浄水器もあります。少々値段ははりますが、水替えを手軽にできることと大き目の水槽で水量がある場合などには大活躍するようです。
カルキ抜き機能浄水器を使っても、それでも心配だと思われる方は「塩素検査薬」などを使って残留塩素濃度を測定するとより安全な水となりますよ。
沸騰させた水道水は大丈夫なの?
沸騰させるとカルキは抜けるのか?答えは“抜けます”。
そのため金魚の飼育には使えますがただし条件があり、
- 10分以上沸騰
- ヤカンなどは蓋をあけたままで
という条件です。
カルキは抜けますが10分以上ぶくぶくと沸騰させるのもガス、電気代などもかかりますし、何より冷たく冷ますのに時間もかかる方法となります。
そして、沸騰させると水に含まれる酸素も少なくなっています。
そのまま金魚に使用するのではなくエアポンプなどで水の中に十分な酸素を溶かしてあげるひと手間を加えてあげてくださいね。
金魚の飼育水にミネラルウォーターは使ってもいいの?
ミネラルウォーターは人の体にとっても良さそう!綺麗!という事で金魚にも最適な感じがしますが、金魚には向いていません。
特に“硬水”であるミネラルウォーターであれば不向きです。
それは、ミネラルウォーターはバクテリアが繁殖しにくいという理由からです。
金魚の排泄物やアンモニアを分解するためにはバクテリアの力は必要不可欠なのです。
きれいすぎる水というのも金魚には良くないようですね。
弱っている金魚を一時的な回復水としてミネラルウォーターを使用するという事もありますし、軟水でphが7.0~7.5位のものであれば飼えない事もないのですがやはり金魚には“カルキ抜きした水道水”が最適なようです。
まとめ
人には影響の少ない水道水の消毒カルキが金魚にとっては致命傷となることがわかりましたね。
ちょっとぐらい大丈夫だろうと思っていても小さな金魚にとっては大きな影響となることも。
水替えの度にカルキ抜きをすることはちょっとめんどくさく感じるかもしれませんが大事な金魚を健康に過ごさせるためにも欠かさないでくださいね。
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