猫にもエイズという病気が存在します。
自分で言葉をしゃべれない、病院に行くことのできない野良猫も多い事から感染をしている猫の存在にも気づきにくいですよね。
どのような症状があるのか、ならないためにはどのような対策をとればいいのか、あまり知られていない猫のエイズについて調べてみました。
Contents
猫のエイズの症状
猫がエイズウイルスに感染したらどのような症状が出るのか気になりますよね。
エイズウイルスはいきなり重篤な症状を起こすわけでなく、段階を踏んでいきます。
感染初期から順番にどのような症状がみられるのかを説明します。
感染初期
感染をして1か月くらいたった頃に、発熱や、リンパの腫れといった体に分かりやすい症状や、なんとなく活発でない(猫にとってはだるそう)様子が見られることがあります。
元々体力のある猫であれば軽い風邪かな?というくらいの症状なのであまり重大に考えず気づきにくい症状と言えます。
無症状期
初期症状がだいたい1か月から数か月続くとされますが、その症状が落ち着く時期がやってきます。
無症状になったため、「風邪だったのだな」「治って良かった」と多くの人は思うでしょうが実は猫の体の中ではウイルスはどんどん増え続けていっています。
この無症状期は5年以上続く猫もいるそうです。
発症期
エイズは発症したからといって、断定できるような症状が急にでる病気ではありません。
個々によって症状は変わります。
次から次へと病気になりやすいと思っていたらエイズだったというのはよくある事です。
それはエイズウイルスというものは少しずつ免疫細胞を壊し、猫が本来持ち合わせている病気と闘う力をなくしてしまうというウイルスだからです。
戦う力が弱くなるため、感染症にかかりやすく治りも悪いため体力が落ちてきてしまいます。
鼻水や下痢が続くといった風邪のような症状が長引くことにより食欲低下、さらに内臓の病や、癌になるといった色々な病気を発症させ、最終的に衰弱させてしまうことがエイズウイルスの怖いところです。
猫エイズの検査方法
エイズに感染しているかどうかは、動物病院で血液検査をすることによって分かります。
費用は病院の検査項目によって変わってきますが数千円~1万円程度でできるようです。
生後6か月未満の子猫は、母猫の抗体が体の中に混ざっている事もあるので6か月を過ぎてから検査をすることが望ましいようです。
6か月未満で検査をし、陽性反応が出た場合は1歳を過ぎてから再度検査をするようです。
猫エイズは人にうつるの?
人への感染はありません。
猫エイズはFIVウイルス、人のエイズはHIVウイルスと別々のウイルスであって猫から人間へ、人間から猫へと移るものではないのです。
飼いネコが猫エイズになったからといって、感染を恐れて飼育放棄することはしないでくださいね。
適切な治療をしてあげて下さいね。
猫エイズの感染経路
空気感染で感染するとは考えられていません。
感染している猫の唾液や血液等が接触することによって感染すると考えられています。
例えば、縄張り争いや雌猫の取り合いなどでけんかをして傷が出来た場合などに感染することが多いようです。
また、どちらかが感染をしていてとても仲の良い猫同士がグルーミング(舐めて毛づくろい)することによっても感染をするとされています。
この場合はどちらかの猫に傷がありそこから唾液感染すると考えられています。
猫エイズの予防法
猫エイズは感染している猫の唾液や血液が接触する事で感染すると分かりました。
ここでは猫エイズの予防法についえ考えていきます。
室内飼いをする。
飼い猫全てがエイズに感染していない事が前提ですが、一番の予防法かもしれません。
外部の猫と接触しなければエイズが感染する事は無いようです。
多頭飼いの場合は隔離する
多頭飼いしている猫の中からエイズに感染している猫が現れた場合、二次感染を防ぐために隔離しましょう。
また、他の全ての猫についてもエイズの検査を行い感染が広がらないようにします。
他の猫に会えずに可愛そうですが、その分飼い主さんが可愛がってあげて下さい。
去勢手術をする
猫の喧嘩の原因の一つは発情期のメス猫の取り合いです。
去勢しておくと発情しなくなり性格も穏やかになるので喧嘩の回数も減るそうです。
むやみに野良猫を拾ってこない
野良猫の10%以上が猫エイズに感染しているといわれています。
傷だらけの猫が可愛そうでついつい拾ってきてしまった場合は猫エイズの検査を受けるようにしましょう。
母猫が感染している仔猫は気を付ける
母猫がエイズに感染している場合、産まれた猫が感染している可能性は低いそうです。
問題になるのは生まれた後の仔猫とのふれあいです。
仔猫をグルーミングして唾液感染、子猫を咥えた時に傷を作ってしまい血液感染という事もあるので気を付ける必要があります。
エイズに感染した猫の寿命
猫の平均寿命は野良猫で4~5年とされています。
とても短いですよね。そのため無症状時期の中で天寿をまっとうする猫もいるのでエイズに罹ったからと言って寿命が短くなるということでもないようです。
また、エイズウイルスに感染したからと言って必ず発症するわけでもないようです。
野良猫の場合はケンカや交通事故などで命を落とす事の方が多いようですね。
飼い猫の場合、当然平均寿命は長くなるので、エイズを発症しやすくはなりますが適切な治療により発症を遅らせたりすることによって寿命を長くする事も出来ます。
また、エイズに感染しても発症せずに天寿を全うする猫もいます。
猫エイズに治療法は有るの?
猫がエイズウイルス陽性であったとしたら大きなショックを受けるでしょう。
確かに完治するという治療法は現在のところありませんが対処することによって発症を遅らせたり、寿命を長くすることが出来るのです。
対処療法として、
- 抗生剤
- 下痢止め
- ステロイド
- 抗がん剤
等、症状に合わせて改善または症状を抑えるといった方法が主です。
症状を軽減してあげ、安心した環境で過ごさせてあげることが一番の治療法のようです。
まとめ
ずっと家の中にいる猫であれば感染のリスクはぐっと低くなることは分かりました。
しかし、風邪のような軽い症状だと見過ごすことが多くなりそうです。
猫も人間と同じく、少しでも気になる症状があるのであれば早めに病院に行くことが大切ですね。