飼っているメス猫が避妊手術をしていない場合、外に出られるような環境にいれば、いつ妊娠・出産してもおかしくありません。
猫は一度の出産でたくさんの子猫を産むこともあります。
太ったかも?くらいに思っていたら実は妊娠していた!とか、いきなり出産していた!ということにならないよう、猫の妊娠から出産までのことを知っておくようにしましょう。
Contents
猫の妊娠の見分け方は?
猫の妊娠期間は60~68日間、つまり2か月ほどです。
猫が妊娠すると様々な変化があらわれるので、妊娠をしているときの特徴や見分け方をご紹介します。
妊娠から20日前後
床でゴロゴロし始める
1週間くらい食欲が落ちる
乳首がピンク色や赤っぽくなり、少しずつ膨らんでくる
妊娠から30日前後
お腹が膨らんでくる
乳房が大きく膨らんでくる
妊娠から45日前後
食欲が増して体重も増え始める
動くことが億劫になり、活動量が減少する
攻撃的になる
妊娠から50日前後
胎動を感じられるようになる
妊娠に気づくのは20日から30日ほど経過した頃が多いでしょう。
交尾を確認したら、このような変化がないか観察するようにしましょう。
猫の妊娠周期は?
猫の繁殖期は、暖かい気候になる2月~4月と、6月~8月の年に2回あり、そのだいたい1か月前くらいから発情期が始まっています。
産後2ヶ月経過すればまた妊娠可能になるので、年に2回の発情期のたびに交尾をすれば、年に2回出産することになります。
室内で飼われている場合は、年に3回発情期がきて出産する猫もいます。
猫が妊娠できるのは何歳からなの?
メスの場合、発情期は生後6ヶ月~1年の間に性的に成熟して発情期を迎えます。
つまり、生後半年くらいから妊娠が可能ということになります。
個体差もありますが、早くて生後4か月ほどで発情する猫もいます。
また、短毛種は発情期が始まるのが早く、長毛種は遅い傾向にあります。
猫は妊娠すると何匹産まれるの?
猫が一度の妊娠で出産する子猫の数は、通常1~9匹程度で、最も多いのは3~5匹です。
猫は左右合わせて乳首が8つあり、たくさん子猫がいても対応できるようになっています。
1歳未満での出産や、高齢出産の場合は一度の出産で産む数は少ないですが、出産を重ねるたびに産む数が増えるという傾向もあるようです。
猫は妊娠する確率が高いの?
猫は交尾をすることで排卵をするので、90%以上の確率で妊娠します。
また、1回の交尾では妊娠の確率はそれほど高くなくても、発情期間中に何度も交尾をするので、その確率は高くなるのです。
そのため繁殖力はとても強く、自由に交尾できる環境で暮らすメス猫の場合、10年間で50~150匹の子猫を出産すると言われています。
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猫の妊娠から出産までの流れは?
猫は出産が近づくと急に動かなくなり、出産に適した場所を探したり、作ったりするようになります。
体にも変化が現れ、乳が張って母乳が出ることもあります。
出産直前は食事や排せつをしなくなり、乳房や陰部をしきりにグルーミングするようになります。
そして陣痛が始まって30分ほどで最初の子猫が産まれます。
生まれる頭数によって時間は異なりますが、15~30分間隔で次々と子猫を産み、だいたい1~2時間くらいかかります。
基本的に出産に人間が手を貸す必要はありません。
母猫は生まれてきた子猫を舐めて羊膜を破り、鼻先を舐めて呼吸を促し、へその緒をかみ切ります。
外に出てきた胎盤などは、多くの場合栄養補給を兼ねて母猫が食べてしまいます。
そして子猫は母猫のお乳を飲みます。
猫の出産で準備する物は何?
出産が近づいてきたら、出産をする場所として使えるように、箱のようなもの(大きめの段ボールなど)を用意してあげましょう。
その箱を横に倒して周りから見えないようにし、毛布やタオルなど柔らかい布を敷いてあげます。
出産には人は手を貸さないと言いましたが、中には生まれた子猫の世話をしない猫もいます。
そういった場合のみ使うため、出産後の子猫を世話する道具も念のために用意しておきましょう。
- 清潔なタオル2~3枚
- 消毒したハサミ
- 木綿糸
まずは生まれた子猫を清潔なタオルで優しく拭きます。
その後へその緒を切るので、子猫から3~5㎝の箇所を木綿糸でしっかりと縛って止血し、縛ったところの母猫側を消毒したハサミで切ります。
処置が終わったら、母猫のそばに戻しましょう。
産まれてきた猫の赤ちゃんはどうしたらいいの?
出産後数日間、母猫は子猫とほとんど一緒にいて離れることはほとんどありません。
生まれたばかりの子猫には体温を維持する能力が備わっていないため、常にくっついている必要があるからです。
また、出産直後から母乳を与えますが、「初乳」と呼ばれる分娩後1週間から10日間ほど出る母乳には、母猫の免疫抗体を含んでいるので、母猫はそれをなるべくたくさん与えようとします。
産後の母猫はとても神経質になっているので、母猫がちゃんと世話をしているようなら、あまり干渉せずにそっとしておいたほうがよいでしょう。
もし何らかの事情で母猫が世話をしない、または世話ができない場合は、
- 子猫の体温の維持(ペット用のヒーターや湯たんぽをタオルにくるんで置いてあげる)
- ミルクをあげる(子猫用ミルクを哺乳瓶で与える)
- 排せつの補助(肛門近くをガーゼで軽くたたいて排せつを促す)
この3つの世話が必要になるので、代わりに飼い主がやってあげるようにしなくてはなりません。
まとめ
子猫が欲しいと言う方は、妊娠の兆候を知ることで出産までの経過を観察することができて、生まれたての子猫を見ることもできます。
出産の感動を共有することもできますし、子猫は本当にかわいいでしょう。
しかし、猫は繁殖能力がとても高いので、放っておくとどんどん子猫を産んでしまいます。
ちゃんと面倒を見られない、またはもらい先を見つけられないのであれば、必要に応じて避妊手術をするなど、責任ある飼い方をするようにしましょう。