飼い主の責任として、オス猫の場合の去勢手術は必要に応じてやらなければならないことのひとつです。
去勢手術後は身体の一部が変わったのですから、これは猫にとって大きな変化であり、以前と同じような行動をするわけではなくなります。
実際に飼い猫に去勢手術をおこなったら、手術前と何か違う・・・と感じることがあるかもしれません。
それでは、去勢手術をしたあとの変化や注意するべきことについてご紹介していきたいと思います。
Contents
猫は去勢するとどう変わるの?
オス猫は去勢手術をするとホルモンの分泌量が変化し、性格や体質が変わることが多くあります。
甘えん坊になる
去勢前の猫は子孫を残さなければならないという本能のため、相手を探すのに興味の対象は「猫」に向かいます。
しかし、去勢後は「猫」への興味は薄れ、一番身近にいる「飼い主」や「人間」のほうを意識するようになります。
飼い主は餌を与えてくれて、優しくなでてくれたり甘やかしてくれるので、居心地がよく甘えるようになるのです。
特に子猫の時に去勢をすると、その時の性格が引き継がれることが多いので、子猫のような甘えん坊の性格がそのまま続きやすいのです。
活発さがなくなる
手術後は肉体的にも精神的にもダメージを受けているのであり、1週間ほどはおとなしかったり様子が違うかもしれません。
その後2週間から1ヶ月異常たっても活発さを取り戻さないこともあります。
これは、去勢手術をしたことにより刺激物質が出なくなったり、子孫を残すために相手を探すためや同じオス猫同士で争うような動き回る必要がなくなるからです。
太りやすくなる
去勢後の猫は、ホルモンバランスが変化して、体重の維持に必要なカロリーが減っています。
生殖行動や性欲の発散のために動き回るようなことも少なくなり、運動量も減ってきます。
また、「性欲」という本能がなくなることで「食欲」が強くなって食べすぎるようになって太りやすくなるのです。
発情期がなくなる
去勢手術をするのは、生殖活動をしなくなる、発情期がなくなるなどが目的のことが多いでしょう。
性的な欲求不満や生殖に関わるストレスから解放されるため、マーキング、鳴き声、他の猫への攻撃などの発情期に起こる問題行動が軽減されます。
また、子孫を残さなければならないとうプレッシャーから解放されることで、他の猫との争いもなくなり、心身ともに穏やかに過ごすことができるので長生きする傾向にあります。
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去勢手術直後の注意点は?
手術後は一時的に免疫力や抵抗力が低下しているので、体力が低下していたり、感染症にもかかりやすくなっています。
また、個体差はありますが手術により精神的にも肉低的にもダメージを受けている状態なので、できるだけストレスを与えないようにし、傷を癒してあげるよう優しく接しましょう。
手術は基本的に日帰り~1泊程度ですが、手術を受けて体が変わってしまった状態で、猫自身が安心できない見知らぬ場所に居続けさせられることは、猫にとっては大きなストレスとなっているはずです。
自宅に戻ってきても、しばらくはじっと部屋の隅でおとなしくして動かないこともあります。
感染症の心配もありますので、手術後は無理矢理外に連れ出すことはせず、様子を見つつそっとしておいてあげるようにしましょう。
去勢後の生活で注意することは?
食事について
手術直後は、体もデリケートな状態で、体の変化がストレスとなって餌を食べても吐いてしまうことがあります。
食事は一度にたくさん与えるのではなく、少量ずつにわけて与えるようにしましょう。
もし食欲不振が続いたり、餌を食べなくなってしまったら動物病院に連れて行きましょう。
また、去勢後はホルモンバランスの変化と運動量の減少で太りやすくなります。
手術前と同じ量の餌を与えるとすぐに太ってしまうので、食事の総摂取カロリーに注意し、一緒に遊んであげるなど運動をさせるように意識しましょう。
欲しがるままに餌を与えて肥満になってしまうと、人間と同じように糖尿病などの生活習慣病を引き起こす原因となってしまうので注意が必要です。
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トイレについて
手術直後は、一時的に手術のストレスなどによって、トイレ以外の場所で排せつをすることがあります。
猫は一度においがついてしまうとそこをトイレと思ってしまうことがあるので、トイレ以外の場所で排せつしてしまった場合はすみやかに片づけてにおいを完全に消すようにしましょう。
手術で数日間家を離れた場合はトイレの場所を忘れてしまっていることもあるので、その場合はまたトイレの場所を覚えさせる必要があります。
去勢前にやっていたなわばりを確保するための尿を飛ばすスプレー行為はしなくなるでしょう。
また、猫はもともと尿管が狭くて尿が濃いこともあって尿管結石になりやすいのですが、去勢手術をしたことで尿道が狭くなり、よけいに尿路結石にかかりやすくなります。
予防するためにはこまめに水分補給をさせ、食事や普段の様子などにも気を配るようにしましょう。
睡眠について
手術直後は痛みのために眠れない猫もいますが、できるだけ安静にして寝床を整えてあげるなど、きちんとお世話をしてあげましょう。
去勢前は発情期の際、夜鳴きが激しくなることがありますが、去勢手術後はこのような激しい夜鳴きもしなくなり、ゆっくり眠るようになります。
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今まで通りの生活をしよう
猫が去勢手術をする適齢期は生後2ヶ月~8か月です。
まだ子猫なので、うまくトイレができなかったり、生活習慣がきちんと決まっていなかったり乱れてしまうこともあるかと思います。
手術直後は体の変化もあってそれまでできたことができなくなったりすることもあるかもしれませんが、その間はリハビリ期間と思って根気よくお世話をしてあげましょう。
ある程度元気を取り戻し、食事も普通に食べるようになったら、手術前と同じような生活に戻しましょう。
そして何事もなかったかのようにしていた方が、猫にとって大敵である環境変化によるストレスを感じにくくすることができるでしょう。
オス猫は去勢をしたら発情することはないの?
去勢手術をすると基本的に発情期はなくなりますが、発情期を経験した後に手術を受けた場合は、手術後でも発情期のような行動をとることがあります。
ただ、生殖機能は失われているので発情の回数は減ります。
マーキングや他の猫と争うなどの本能的な行動は薄れていくでしょう。
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まとめ
去勢手術については様々な考え方がありますが、実際に手術を受け、そして影響を受けるのも猫自身なのです。
手術後は猫のことを考え、きちんとお世話をしてあげましょう。
オス猫は手術前よりもおとなしくなる傾向にあるようですが、術後の経過があまりよくなさそうだったり、食欲がないことが続くなど、何かおかしいなと感じたら動物病院で見てもらうようにしましょう。