まるまると太った猫は、とても愛らしく見ていて癒される存在です。
でも、太りすぎた肥満の猫は、人間と同じように病気のリスクが高まり、命に関わる問題にもなりかねません。
猫の体重管理は、餌をあげている飼い主の責任です。
「うちの猫、ちょっと太りすぎかも?」と思う人は、猫のダイエットを考えてみてください。
それでは、太りすぎた猫のダイエットの必要性とその方法をご紹介します。
Contents
猫の理想体重と肥満の判断の仕方
大型の猫は2~3歳までゆるやかに体重が増加しますが、そのほかの猫はだいたい1歳くらいで成長が止まります。
一般的な猫の1歳頃の体重は、約3.5kg~4.5kgほどです。
1歳くらいで一度体重を測定し、その体重を維持できるようにするといいでしょう。
平均的な体重から15%を超えると体に影響が出始め、20%を超えると肥満といえます。
また、体重以外には、体に次のような特徴があれば肥満体型です。
- ろっ骨や背骨を触ると脂肪を感じる
- あばら骨が脂肪に埋まって触ることができない
- 猫を真上から見て腰のくびれがまったくない、肩よりお腹が出っ張ってひょうたんのような形をしている
見た目だけではわからない隠れ肥満(内臓脂肪など)の猫もいます。
定期的に健康診断をしたり、病院にかかったときに相談してみるのもいいでしょう。
肥満の猫はどんな病気になるの?
人間と同じように、猫も肥満が原因で様々な病気になる可能性があります。
- 心臓や血管に負担が増え、高血圧や心不全などの心臓病を引き起こす
- 皮下脂肪が増えて皮膚の栄養血管にも負担がかかり、皮膚病にかかりやすくなったり傷が治りにくくなる
- 足や関節へ負担がかかり、関節炎、ヘルニア、靭帯断裂などになりやすくなる
- 糖尿病になる
- 血中コレステロール値が高くなり、脂肪肝になる
- 便秘がちになる
このように、放っておくと命に関わる病気になることもあるので、太りすぎには注意が必要なのです。
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猫のダイエットの基本とは?
猫が太ってしまうのは、人間が太るのと同じで「摂取カロリー量がエネルギー消費量より多いから」です。
現状の体重を減らすためには、
- 摂取カロリーを減らす→餌の量を減らす
- 消費カロリーを増やす→運動をする
単純なことですがこの2点が重要になります。
それでは、「餌の与え方」と「運動の仕方」について、ご説明していきます。
ダイエットのための餌の与え方とは?
そもそも猫が肥満になってしまう原因は、必要以上にカロリーを摂取しているからです。
まずは餌の量を見直しましょう。
成長期に必要なカロリーは一日で体重1kgあたり80キロカロリー、成長期を過ぎている場合はその2割減くらいです。
餌を与える時は「小分けにする」「時間を決めて与える」とより効果的です。
しかし、いきなり餌の量を減らすとストレスとなってしまうので、徐々に減らして2週間くらいで目標の量になるようにしましょう。
餌を減らすと満足できずにもっと餌を欲しがったり、フードを減らしたのになかなか体重が落ちない場合は、肥満専用のダイエット食を与えるという方法もあります。
通常のフードよりも割高になりますが、食物繊維が多く低脂肪で、栄養バランスの良いフードが売られているので、切り替えてみてもいいかもしれません。
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ダイエット中におやつはあげてもいいの?
栄養の観点で言えば猫におやつは必要ありませんが、ご褒美のためや飼い主とのコミュニケーションをとるためにおやつをあげたいこともあるでしょう。
その場合、一日の摂取カロリー以内であればおやつをあげても構いません。
ただ、おやつをあげる場合は一日に何回もあげるのではなく、決まった時間に少量与える程度にします。
小さくちぎって量を減らしたり、運動したご褒美にあげるなど、むやみに与えないようにするといいでしょう。
あとは、餌をあげている飼い主以外の人が、知らない間におやつをあげていたということがないように、特にダイエット中は餌以外の食べ物の管理も徹底しましょう。
ダイエットのための運動はどんなことをしたらいい?
猫を運動によってダイエットさせるのはなかなか難しいと思います。
老猫だとあまり動かないですし、室内飼いの猫は外敵もいないし餌も飼い主が与えてくれるので怠慢になってあまり運動したがらないのです。
でも、やはり運動不足は肥満の原因となりますし、猫の健康上もある程度の運動は必要です。
基本は食事制限をすることになりますが、運動も積極的に取り入れましょう。
特に太った猫の場合、運動することを嫌がりますし、いきなり動くと足腰に負担がかかってしまうので、まずは1回2~3分の運動で慣らしながら徐々に運動量を増やしていきます。
運動の方法は、猫じゃらしでキャットタワーの上の方に誘導したり、小さなゴムボールを投げて今度は下へ降りるよう誘導します。
慣れてきたら、1回15分程度の運動を1日2~3回くらいできると効果があります。
また、猫の運動は飼い主とのコミュニケーションにもなります。
餌をキャットタワーの上のほうに用意すれば、食事のたびに登ったり降りたりさせることもできます。
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まとめ
猫は散歩する習慣もなく、特に室内飼いの猫は放っておけば好きなだけ食べて寝ての生活でどんどん太ってしまいます。
それでも、愛する猫ちゃんが肥満が原因で健康を害してしまうのはかわいそうなことです。
猫のダイエットは人間よりも難しく、時間がかかるものと思ってください。
理想的な体重でいることは、猫の健康と長生きにつながることにもなるのです。